東京地判平成26年5月23日(PDF判決全文)
ただし、データベースではあり得ない日付となっているが。
事案はモーゲージプランナーという住宅ローン・コンサル資格を提供しているNPO法人モーゲージプランナー協会が、住宅ローン診断士という資格を認定している日本住宅ローン診断士協会という一般社団法人と日本資産証券化センターというNPO法人に対して、ドメイン名の使用差止めと登録抹消、そして住宅ローン診断士補認定講習事業の差止めを求めたというものである。被告のサイトがあるドメイン名は、j-mpa.jpとjasc.jpだが、判決はドメイン名を略しているので、どれが対象なのかが不明である。
しかし、原告の特定商品等表 示である「JMPA」ないし「JAMP」と同一若しくは類似と主張されているので、日本住宅ローン診断士協会が使用するドメイン名のj-mpa.jpを差止めの対象としているのであろう。
両者の争いは、もともと被告センターが母体で、被告センターが取得したドメイン名とともにモーゲージプランナーの資格認定を、原告に貸与していたところ、原告に新たな理事者が参加したことでもともとの創業者と意見の対立が生じ、袂を分かったというのである。
そこで、本件ドメイン名も、もともと被告センターが登録して原告に貸与していたのであるから、不正の目的で保有ないし使用しているとは言えないと判断された。
少なくとも判決で認定されている事実関係を前提にする限り、原告には分のない無理筋訴訟というように思われる。
ちなみに日本知的財産仲裁センターにおけるドメイン名紛争でも申立てがされ、棄却の裁定という珍しい記録になって残っている。
そこでの対象ドメイン名はj-mpa.jpであった。
ドメイン名紛争の健全な処理がなされていることの証左といえよう。