スマートフォンの普及も落ち着きをみせてきた。こうなると毎月支払う通信料金を少しでも抑えたいと誰だって思うことだろう。フィーチャフォン時代に比べて毎月の通信料金が「安くなった」という人は、そう多くはない。むしろ「基本料金が高い」、「通話するとさらに高くなる」と悩むことばかりだ。

ネットなども、盛んに節約方法が取り上げられているが、イマイチ、自分には、どんな方法なら節約できるか、わかりにくい。

そこで、今、できる通信料金の節約方法を、ケースバイケースでまとめてみた。

●キャリアの基本プランを見直す
まずは、もっとも基本的な見直し方法だ。
ドコモ、au、ソフトバンクモバイルなど、キャリア契約では、ほとんどの人が「フラット(定額)プラン」で契約しているだろう。7GBまで使い放題(こえると当月末まで128kbpsでの制限)の「フラット」プランはスマートフォンを最大に使える割安なプランである。

★ドコモユーザーの場合 ライトプラン
ドコモには「Xiパケ・ホーダイ ライト」という料金プランがある。Xiパケ・ホーダイ ライトは、月額4,700円(税別)で、1ヶ月3GBまで(3GBを超えると当月末まで128kbpsでの制限)Xiパケット通信が使い放題になるというものだ。

フラットプランと比べ使えるデータ量が少ない。また128kbps通信制限の解除を申込んだ場合、Xiパケ・ホーダイ フラット、Xiパケ・ホーダイ ダブルの上限額よりも高額となる。だが、月の利用量が3GBを超えない人や、自宅や仕事先でWi-Fi接続ができる人であれば月額の通信料金を下げることができる。

★段階定額プランは実用的ではない?
ソフトバンクモバイルには2段階定額プランも用意されている。
ソフトバンクモバイルのスマートフォン向け「パケットし放題 for 4G」と、同じくiPhone 5s/5c/5用の「パケットし放題 for 4G LTE」は月額2,000〜6,200円(税別)という2段階定額のプラン。データ通信を利用しなくても月額2,000円となるが、規定量を超えても最大6,200円までの料金で利用できる。
ただ、2,000円以内に収めるデータ通信量は5MB程度なので、現在ではあまり実用的なプランとは言えない。

●キャリアのオプションプランを見直す
次にできることは、オプションを見直しだ。
契約時や機種変更時など、オプションプランをセットで付けられて、そのままというケースは実に多い。
例えば「動画サービス」や「音楽配信サービス」といったものから「位置情報サービス」など「あれ、こんなの使っていた?」というオプションはかなりあるはずだ。こうした使っていないオプションを1つ外すだけでも月100〜600円程度の節約になる。ただし、オプションは加入が、月々の割引サービスに紐付いているケースもあるので、確認して解除しよう。

★新料金プランをチェックしておこう
ドコモは6月から“完全定額制’の音声通話料金プラン「カケホーダイプラン」が導入される。新プランは、基本料金込みの月額2,700円(税別、2年契約)で、音声通話がどのキャリア相手にも時間無制限のかけ放題になるプランだ。

通話を多くする人であれば、新プランを利用することで毎月の支払をグッと下げることができる人もいるだろう。他の大手キャリア、au、ソフトバンクモバイルもドコモに対抗したプランを出してくる可能性もあるので、通話の利用が多い人は、各社の新プラン発表を確認してから、プランを見直すとよいだろう。

逆に通話が少ない人は、ドコモの新料金「カケホーダイプラン」でも安くなるとは限らない。ほとんど通話をしない人でも、スマートフォン/タブレットでは毎月2,700円(税別)の定額料金がかかるからだ。

現在の料金プランを利用したい人は、現在のXiプランの新規受付が終了する8月末までに検討する必要がある。

●そもそもキャリアプランを使わないMVNO
月のスマートフォン利用が少なく、Web閲覧やSNS利用がメインであれば、格安通信プランのMVNOサービスを利用する方法がある。MVNOとは自らは回線を持たず、MNO(移動体通信事業者)であるキャリアから回線を借り受けてサービスを提供する事業者のことで、日本通信(b-mobile)やBIGLOBE、楽天、IIJなどが手がけている。最近話題になったイオンの格安スマートフォンなどもこれに該当する。

MVNOの料金プランもさまざまなものが登場している。
例えば通話もできる日本通信の音声通話SIMの場合
・「b-mobile4G スマホ電話SIM for LTE 」
月額料金は、音声プラン「LTEプラン」1,029円(税別)とデータプラン934円(税別)を足した1,963円(税別)。2年縛りの契約条件はなく、データ通信速度は150kbps、通話料は20円(税別)/30秒。

高速な通信速度が使いたい場合は、データ回線の月額使用料を変更できる(制限を超えた場合、月末まで150kbpsで通信)。
・定額1,886円(税別)で1GB
・定額2,839円(税別)で2GB

通話が必要ない楽天のデータ専用プランの場合
・エントリープラスプラン
月額900円(税別)。下り最大112.5Mbps、上り最大37.5Mbpsで1GBまで月の利用可能(連続した3日間で400MBまでの制限あり)。制限を超えた場合は300kbpsの通信となる。

通話やデータ通信量が多くない人であれば、MVNOを利用することで、通信料金を抑えることができる。

★MVNO利用の注意点
通信プランが格安なMVNOにも注意点はある。
・SIMロック解除をしている端末、またはSIMロックフリー端末が必要
・データ通信専用SIMではSMSが利用できないプランもある。LINEなどメッセンジャー系のアプリでSMS認証が必要な場合などは注意が必要
・キャリアメールは用意されていない

ちなみに、現在提供されているMVNOの格安SIMはNTTドコモのネットワーク網を利用していることもあり、NTTドコモのスマートフォンで利用できることが多い。(※利用に関しては、MVNO SIM提供元の動作確認の製品を参照して欲しい)


MVNOのSIMで節約できる場合もある


●モバイルWi-Fiルーターを利用する
スマートフォンやタブレットなどを2台以上利用している人は、モバイルWi-Fiルーターを利用することでランニングコストを下げられる場合もある。

モバイルWi-Fiルーター向けのモバイルデータ通信サービスは、携帯キャリアだけでなくインターネットプロバイダなどからも提供されていて、お得な料金プランもある。
例えばSo-netの場合
・So-net モバイル LTE ハイスピードVプラン
2年間の実質費用は月額3,422円(税別)、端末代も実質無料となっている。

・WiMAXのモバイルルーターの場合
So-net Flat 年間パスポート
月額3,419円(税別)(ただしSo-net接続会員の場合)でパケット通信は使い放題となっている。
※上記プラン2つはキャンペーンにより変動する場合もある


モバイルWi-Fiルーターも使い方で節約になる


消費税も増税され、そろそろおサイフの都合も気になりだしたころだろう。まずは、自分の通信費はどのケースで節約できるかを検討し、賢く節約をして欲しい。


甲斐寿憲