桑田のコメントを聞いていても、20位から3位までは彼が言うように順位はあまり関係なさそうだ。しかし、2位の『光と君へのレクイエム』を歌う山下達郎については、コメントにも敬意が込められていた。全国ツアーの千秋楽となった中野サンプラザのライブについて語り、「“かっこよく年をとろう”なんて言ってたね。ちょっと泣いちゃった」と山下達郎という人物を高く評価している。
そして彼は、1位となった佐野元春の『La Vita è Bella』を「一大傑作だと思うよ、よく作ったなこの曲を!」と絶賛した。「NHK(の番組『ザ・ソングライターズ』)に出てくる、教師風情の白髪のオジサンじゃありませんよ! これぞ“佐野元春”であります!」と興奮気味に語った。
さらには昔、佐野元春と手紙をやり取りしたことを「“桑田くん元気かい、頑張ってくれたまえ”ってお前は俺の先生か!」と思い出して、2人が同い年だと明かしている。「同級生がこんな曲を作るなんて、嬉しいよ!」というほど、桑田は『La Vita è Bella』に感動していたのだ。
今回の『2013 邦楽ベスト20』について、彼は「こういう企画でもやらない限り、よい曲があるのに聴かないんだよ。自分からその方向に向かっていかないと出会わない」と主旨を説明している。全曲紹介し終えてからは、「何で、こんなよい曲を知らないんだろう? メディアやスタッフが聴かせてくれよ!」と訴えていた。
桑田佳祐は以前、「美空ひばりと松田聖子は天才だ」と語ったことがある。昭和の歌謡曲からアメリカのブルースまで自在に歌いこなす、彼らしい批評だ。まだ耳にしない素晴らしい楽曲と出会うには、桑田が言うように「自分からその方向に向かっていく」しかなさそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)
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