1990年代の中ごろから2000年代にかけて特に日本の製造業においてもSCM
(サプライチェーンマネジメント)というコンセプトの元、改革が進みました。
しかし、この活動はあくまでも生産・製造・調達の世界の最適化の活動であり、
多くの企業ではリードタイム削減や在庫最適化が目的でした。そのためコスト競争力強化や製品力強化にはつながったものの、多くの企業が同様の改革を進めた後はグローバルでの企業競争力のアドバンテージにはつながっていないのが実態です。
今後のサプライチェーンマネジメントは自社が含まれるサプライチェーン全体
(人によってはバリューチェーンと呼んでいます)を俯瞰し、その中でどのように
力を持っていくのか、その為に必要な機能は何で不要な機能は何か、を見極め、
その方向に舵取りをしていくことに他ならないのです。
こう考えると米アップルやGoogleの戦略も頷けます。一時期のマイクロソフト、インテルも同様です。マイクロソフトのハード事業やノキアの事業買収をした理由も理解できますし、アマゾンのキンドルの販売の意味もです。


今後日本企業でも事業・企業買収や統合などで、このような本来のサプライチェーンマネジメントを実現し短期間で国際的な競争力を強化させるような企業が多くでてくることに期待したいと考えます。