先日発表された半導体製造装置の世界1位と3位のアプライドマテリアルズと東京エレクトロンの経営統合は事業経営にどのようなインパクトを与えるでしょうか?
9月にグローバル企業の大型合併・買収案件の発表が立て続けにありました。
一件はマイクロソフトによるノキア帯電話とタブレット(多機能携帯端末)事業
の買収と、もう一件は半導体製造装置の世界1位と3位のアプライドマテリアルズと東京エレクトロンの経営統合です。
特に後者は過去に例のないような日本企業と米国企業の経営統合であり、グローバル化が急務となっている日本企業にとっての一つの事業革新手段として取上げられるようになるでしょう。また両社の経営統合はその先進事例として今後の成功・失敗が注目され続けると考えられます。
調達・購買という側面で見ても今回の東京エレクトロンとアプライドマテリアルズの統合は興味深い事例と言えます。それは単に市場内の他社との競争という視点だけではなく、顧客とのパワーバランスをつけていく、という視点からの統合だからです。
今回の統合にあたって両社の顧客である半導体メーカーの寡占化という要素は非常に大きな要因であり、両社の合併のトリガーになったようです。
。新聞記事によりますと、半導体メーカーの2002年時点での上位3社の合計シェアは24%だったものが、2012年のトップ3であるインテル、サムスン、米クアルコムの合計シェアは30%に達しているそうです。
それに対して半導体製造装置の両社のシェアを単純合計すると25%になるそうです。
このように巨大化した顧客との力関係を保持し価格競争に持ち込まれないようにする、また技術的な観点からも単なる装置メーカーではなく、半導体製造工程全体をカバーできるような力をつけていく、ということが目的の一つとのことです。
このように事業や市場全体を垂直的な視点で見ることで単に業界内で競争優位を持つだけでなく、エンドユーザーに亘る商品やサービス全体の中でどのように力を持っていくか、ということが今後の事業戦略には欠かせないものになっているのです。
エンドユーザーへの販売会社、通信キャリア、OS、アプリ、ポータル、端末メーカー、半導体メーカー、電子部品メーカー、EMS(受託生産会社)、半導体製造装置メーカー、半導体原料メーカー等。
例えばスマホやPCのビジネスでもそこに存在するプレイヤーはこれだけの様々な業種が上げられます。この垂直的なサプライチェーンの中で業種として、もしくは企業として力を持つことが事業発展や高収益に欠かせないのです。
このような時代には垂直的なサプライチェーンの中でソースの切り分けを最適化するという考え方が必要になります。つまりどの機能やパーツ、サービスを内製化し(持ち)、どの機能やパーツ、サービスを調達する(持たない)か、ということです。
また機能を持つ持たないという観点だけでなく、調達先との関係性を見直すことも必要です。例えばこの機能を自社に持つことで垂直的なサプライチェーンの中で力が増大するということであれば、できれば中にその機能を持ちたい訳ですが、そこまで行かなくてもその重要な機能を持つサプライヤとの関係性を強めていくという戦略にもつながるのです。
共通した業界内のガリバーと戦うために(今回のような同業種内のガリバー企業が手を結ぶだけでなく)異業種で手を組むということも今後は出てくると考えられます。
このように高度に複雑化した製品・サービスが溢れる現代には、自社のサプライチェーン全体における力を如何に強力化していくか、という視点が企業戦略・事業戦略には益々欠かせなくなっているのです。
9月にグローバル企業の大型合併・買収案件の発表が立て続けにありました。
一件はマイクロソフトによるノキア帯電話とタブレット(多機能携帯端末)事業
の買収と、もう一件は半導体製造装置の世界1位と3位のアプライドマテリアルズと東京エレクトロンの経営統合です。
特に後者は過去に例のないような日本企業と米国企業の経営統合であり、グローバル化が急務となっている日本企業にとっての一つの事業革新手段として取上げられるようになるでしょう。また両社の経営統合はその先進事例として今後の成功・失敗が注目され続けると考えられます。
調達・購買という側面で見ても今回の東京エレクトロンとアプライドマテリアルズの統合は興味深い事例と言えます。それは単に市場内の他社との競争という視点だけではなく、顧客とのパワーバランスをつけていく、という視点からの統合だからです。
今回の統合にあたって両社の顧客である半導体メーカーの寡占化という要素は非常に大きな要因であり、両社の合併のトリガーになったようです。
。新聞記事によりますと、半導体メーカーの2002年時点での上位3社の合計シェアは24%だったものが、2012年のトップ3であるインテル、サムスン、米クアルコムの合計シェアは30%に達しているそうです。
それに対して半導体製造装置の両社のシェアを単純合計すると25%になるそうです。
このように巨大化した顧客との力関係を保持し価格競争に持ち込まれないようにする、また技術的な観点からも単なる装置メーカーではなく、半導体製造工程全体をカバーできるような力をつけていく、ということが目的の一つとのことです。
このように事業や市場全体を垂直的な視点で見ることで単に業界内で競争優位を持つだけでなく、エンドユーザーに亘る商品やサービス全体の中でどのように力を持っていくか、ということが今後の事業戦略には欠かせないものになっているのです。
エンドユーザーへの販売会社、通信キャリア、OS、アプリ、ポータル、端末メーカー、半導体メーカー、電子部品メーカー、EMS(受託生産会社)、半導体製造装置メーカー、半導体原料メーカー等。
例えばスマホやPCのビジネスでもそこに存在するプレイヤーはこれだけの様々な業種が上げられます。この垂直的なサプライチェーンの中で業種として、もしくは企業として力を持つことが事業発展や高収益に欠かせないのです。
このような時代には垂直的なサプライチェーンの中でソースの切り分けを最適化するという考え方が必要になります。つまりどの機能やパーツ、サービスを内製化し(持ち)、どの機能やパーツ、サービスを調達する(持たない)か、ということです。
また機能を持つ持たないという観点だけでなく、調達先との関係性を見直すことも必要です。例えばこの機能を自社に持つことで垂直的なサプライチェーンの中で力が増大するということであれば、できれば中にその機能を持ちたい訳ですが、そこまで行かなくてもその重要な機能を持つサプライヤとの関係性を強めていくという戦略にもつながるのです。
共通した業界内のガリバーと戦うために(今回のような同業種内のガリバー企業が手を結ぶだけでなく)異業種で手を組むということも今後は出てくると考えられます。
このように高度に複雑化した製品・サービスが溢れる現代には、自社のサプライチェーン全体における力を如何に強力化していくか、という視点が企業戦略・事業戦略には益々欠かせなくなっているのです。
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