【今回のまとめ】
1.米国株式市場は小動きだった
2.一方、長期債はまだ売られ続けている
3.債券買い入れプログラムの縮小は織り込まれた
4.雇用統計が悪かったので、投資家の予想通りにならない場合も

ダウ工業株平均指数は四週間ぶりにプラス

 先週の米国株式市場はダウ工業株価平均指数が+0.8%、S&P500指数が+1.4%、ナスダック総合指数が+2.0%でした。

 注目された「レイバー・デー明けに、新しいトレンドが出るか?」という問題ですが、強いて言えば公共、通信など、金利敏感なセクターが上昇に乗れなかった点が目立ちました。

 これはひとつには大手通信会社、ベライゾン(ティッカーシンボル:VZ)が英国のボーダフォン(ティッカーシンボル:VOD)の所有しているベライゾン・ワイヤレスの45%株式を1300億ドルで取得するというニュースがあったからです。

 この買収代金の一部は、株式交換であり、英国のボーダフォンの株主にベライゾン株が手渡されます。イギリスの株主の中には「アメリカのベライゾンの株なんかもらっても、しょうがない」と考える投資家もいるに違いありません。株主の保有者が変わることによる、需給関係の悪化が起こりかねないのです。

 つまり先週、ベライゾン株が軟調だったのは、そういうテクニカル的な要因があったことを考慮するべきです。

米国の長期金利はまだ上がり続けている

 もうひとつ公共、通信株が冴えなかった理由は、米国の長期金利がまだ上がり続けていることによります。10年債金利は、心理的な節目である3%に乗せました。


 既に米国の住宅ローン市場は以前より不活発になっており、これが今後の米国の住宅建設などに悪影響を及ぼすことが懸念されています。

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