[画像] 台湾新幹線の女性車掌、床のコーヒー拭き取り「いいね!」

(台北 19日 中央社)日本とは掃除に対する観念のやや異なる台湾で、本来は清掃業務などとは縁もゆかりもないと考えられている車掌(列車長)が自ら腰をかがめ、汚れた列車の床を献身的に清掃しようとしたことがネット上で評判に。1日たたぬうちに2000人以上の「いいね!」の高評価がついた。

先日、台湾高速鉄道(新幹線)の、とある車両の中。下り列車が台北を出発、桃園を過ぎたばかりのところで、前方の座席からかなりの量のコーヒーが床を伝って流れてきた。周囲の乗客たちは大憤慨。事を起こした乗客はすまなさそうに、「申し訳ない、手を滑らせてコーヒーをこぼしたのは私です。すぐに列車清掃員の人を呼んできます」。

しかし、連絡を受けて数分後、自動ドアの向こうに姿を現したのは背の高いすらりとした美しい女性車掌(列車長)。そして、その片手に取り上げたのは清掃員を呼ぶためのトランシーバーかと思いきや、トイレットペーパー。女性はその場にしゃがみ込むと座席ひとつひとつの下に流れ漂っているコーヒーを黙々と拭き取り始めた。

この光景に乗客たちは文句を言うのをやめ、「車掌さんにこんなことをしてもらっては申し訳ない。清掃員の人にやってもらえばいいんだよ」。女性車掌の念入りな掃除ぶりに乗客らの不満はあっという間に車掌への敬意に取って代わられた。

この話が車内の写真とともにネット上で取り上げられるとたちまち評判に。だが、台湾高鉄ではこの女性車掌の名前を明らかにはしていない。高鉄では職務によって分け隔てすることなく、乗客へのサービスでその場でできることは速やかに行うよう指導していると述べている。(写真=フェイスブックより)

(編集:谷口一康)