【新華社上海11月10日】中国上海市で開催された中国国際輸入博覧会に、健康食品・化粧品大手ファンケルが2018年の第1回から7年連続で出展した。同社の島田和幸社長が7日、新華社の取材に応じ、輸入博への見方や中国市場への意気込みを語った。
ファンケルは昨年まで、健康食品のブースで健康食品を中心に出展していた。今年は「美と健康」をテーマに化粧品ブースで出展。より豊富な展示品をそろえ、ブース面積は初回の2倍近くに拡大した。ファンケルが中国市場に根を下ろし、中国でのビジネスを着実に発展させている表れとも言える。だが島田氏にとって「初めは手探りだった」。中国の顧客がファンケルというブランドを認めてくれるかと心配もしたが、ふたを開けてみると多くの来場者が訪れ「とてもうれしかった」と振り返る。
中国は新たな高い水準の対外開放に目を向け、世界に市場を開くため、18年から毎年輸入博を開催してきた。島田氏は、中国の発展戦略において輸入博は重要な役割を果たしていると実感している。中国の消費者のニーズや悩み、関心を知る絶好の機会であるとともに、ニーズに応えた新商品を発表するチャンスであり、中国のパートナー企業との関係を深める貴重な機会にもなっている。
ファンケルの展示ブースが今年大きく打ち出したのが、体の焦げ付きの原因にもなる酸化ストレスに対応できる「NMN」、新ブランドのBRANCHICの「フェイスパワーオンクリーム」、肝臓と腸に「ダブル」のアプローチを行う「DOUBLE-DETO(ダブルデト)」の三つ。特に「DOUBLE-DETO」は、中国の消費者向けに開発したものだという。
「中国市場ではこれから美容と健康の領域がどんどん成長してくる」。ファンケルはデジタル技術も活用し、よりパーソナルな消費者のニーズに応えた製品やサービスの提供に取り組む。今回の輸入博では、健康だけでなく美容のブランドの認知も高め、同社のさまざまなモノづくりのこだわりや研究力なども広めることができた。中国は「重要な市場」という島田氏。研究拠点や生産拠点をつくることも視野に、中国でさらなる進化を目指す考えだ。(記者/彭純、常博深、許暁青)