――まあ反省はしても、引き分けとなったのだから、後々にしこりみたいに残っては困りますからね
賀川:ただし、この偶発的なクロスも、両チームで一番若いオアーが左サイドで日本側3人を相手にドリブルしてペナルティエリア左外から蹴ったボールです。
――つまり、相手の若者に個人突破のクロスキックを許したということになるわけ
賀川:オーストラリアの選手は個人能力が高い。それを押さえることがこの試合のテーマのひとつだった。
――次にPKについて聞かせてください。試合中のPKでも、大会などでのPK戦でも、キッカーの気持ちの強さが出る場面が多いですね
賀川:本田が正面に蹴った時にはゴールキーパーは右へ飛んでいた。サイドネットで決めるという定石どおりではなかったけれど彼の勝負強さがあらわれた結果でしょう。
――最後まで緊張感の続いた93分はこのPKで1-1。日本はブラジル行きを決めました。この試合でまたPKが話題になるでしょう
賀川:野球というスポーツで停止球から始まるプレーについては理解しやすい人も多いですからね。特に近頃は高校選手権のようなノックアウト方式の大会でのPK戦がありますから。
――それについて旧制中学のせんしゅのころからPKのキッカーだった賀川さんの話を聞きたいが、ここは日本のあれだけ上手な攻撃で結局PKの1点だけだったことについての話を聞きたいです。
続く
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