●3.ビラを渡す・近所の人に尋ねる
ビラは意外と作成に時間がかかるものです。焦らず、捜索の合間に息抜きしながら作業をすすめるのがいいでしょう。業者に依頼される方もありますが、刷る部数はそれほど重要ではありません。枚数に頼るのはツイッターの【拡散】に頼るのと同じで、最後の手段です。極端な例ですが、北海道の猫が沖縄に移動することはありえません。狭い範囲でのポスティングは有効かと思われます。しかし、熱心に眺めてくれる人は少数ではないでしょうか。ツイッターの拡散や膨大な枚数のビラから迷子猫の存在を知った人が、頭の片隅にいれておいてくれる確率はそう高くないはずです。
都会では特に「ビラを貼る」ことに慎重さが求められます。そのため、貼り付けを無闇に行う前に、捜索範囲の限定をしておくことが重要です。いきなり探偵社や印刷会社に依頼する必要はありません。ビラの数に比例して、重要度の低い情報として埋没してしまう可能性もあります。貼る箇所を最小限に押さえ、足で探し、聞き込みをする。近所の人に声がけをして、そのときにビラを笑顔で渡すのがいいでしょう。意識してもらえる確率が上がります。もちろん、断ったり、苦い顔をされたりと、マイナスな反応をする人も多くいます。しかし、その反応も、猫の居場所を消去法的に特定するためのヒントになりえます。焦りや不安にかられていても、人々に対して敬意と礼儀を払い、注意深さをもって接することが大切です。
筆者の場合、向こう三軒の界隈には一枚もビラを貼りませんでした。何より、その界隈に猫がいるなら自力で戻ってくるか、見つけ出すかできている可能性が高いからです。

 
●4.各機関への連絡
保健所、警察署、愛護センターへの連絡は速やかにしましょう。

「警察」
遺失物として届けます。ほかの機関は時間が限られていますが、警察署への連絡は24時間対応してもらえます。110番ではなく警察署の番号を確認して連絡するか、近所の交番に届け出るのがいいでしょう。

「保健所」
市区町村ごとに分かれている機関です。ペットの失踪届として届け出ます。保護してくれている人から連絡があれば、教えてもらえます。筆者は区境に住んでいるため、隣接している2つの区に連絡しました。

「動物管理センター」
都道府県ごとに分かれている機関です。東京の場合は「東京都動物愛護相談センター」( 03-3302-3507 )があります。2.3日に一度連絡しましょう。定期的に連絡すると整理番号がふられます。

「清掃局」
猫が区道や市道で事故死した場合、近隣の人から連絡があると、役所の土木課や清掃事務所などで遺体を回収します。自治体によって異なるでしょう。まずは問い合わせてみることです。区によっては業者が代行して行っているケースもあります。ほとんどの場合、日時や場所の記録だけしか残してもらえず、猫の特徴までは記されないようです。最悪のケースだとしても、事実の把握に近づくために連絡する価値はあります。

探す時間が長引く場合は、かかりつけの獣医師・動物愛護団体等にも、相談をおすすめします。

総じて、連絡するときのコツは、冷静にわかりやすく話すことです。必ず猫の特徴を聞かれますから、いなくなったと思われる日時、状況、猫の特徴をメモした上で連絡しましょう。例え「承知している」と思っていても、話すとなると咄嗟に言葉が思いつかない場合もあります。場合によってはネガティブなことや、逆にポジティブなことを言われるかもしれません。それらはすべてヒントとして受け止めましょう。見つかったら改めて報告の連絡をする旨を伝えておくと相手の印象も変わります.。