エイズウイルス(HIV)に感染した患者が、一般的な薬の代わりに高麗(こうらい)人参を服用して20−25年が経過したが、エイズ(AIDS・後天性免疫不全症候群)を発症していないという論文が、国際学術誌「エイズ・リサーチ・アンド・ヒューマン・レトロウイルス」の最新号に掲載された。複数の韓国メディアが13日、報じた。  韓国メディアは、「エイズ感染者、紅参を食べて25年生存」「エイズ感染者、25年目でも薬代わりに高麗人参を食べて健康」などの見出しで伝えた。

 蔚山医大ソウル峨山病院微生物学教室のチョ・ヨンゴル教授(50)の研究チームは、国際学術誌に国内のエイズウイルス感染者の3人の遺伝子解析の結果を発表した。チョ教授は1991年からHIV感染者らに高麗人参の抽出物が入った500ミリグラムのカプセルを毎日12個ずつ食べるように指示。

 論文に掲載した21人の臨床試験の対象者は、HIV治療薬を服用していなかった。そのうち3人は、それぞれ1987年、1988年、1992年にHIVに感染との診断を受けた人々で、最も長い人で25年を経過したことになる。

 HIVに感染すると、平均で約7−8年を経過するまでにエイズが発症し、感染後10年くらいから治療剤を飲まなければ、ほとんどが死亡に至る。また、今まで全世界的にHIV治療薬を服用せずに最長生存した事例は、オーストラリアで報告された29年だと紹介した。

 チョ教授は「高麗人参には免疫力を高めてくれるサポニンなどの物質が含まれている。これらの物質が感染者の免疫力を高め、このような効果が現れたものとみられる」と語った。研究チームは、HIVに感染しても治療をせずに30年以上健康に暮らす事例を作ることを目標に研究を続ける計画だという。

 一方、別の大学病院感染内科の教授は「高麗人参のエイズ発症抑制効果は、複数の論文で確認されたことがある。しかし、今回の事例はすべての人に適用されるわけではないため、治療薬の服用を怠ってはならない」と述べたという。(編集担当:李信恵・山口幸治)