11月半ばを境に、日本株式は上昇基調に転じ、日経平均株価は、26日に約6ヵ月半ぶりとなる9,400円台を一時回復するなど好調な推移となっています。

野田佳彦首相が14日に衆議院の解散方針を表明して以降、総選挙後に次期政権を担うことが有力視されている政党の政策をにらみ、円安基調に弾みがついたことなどを背景に、日本株式が買われる動きが強まりました。

特に、日本株式の牽引役として注目されているのが海外投資家の動向です。

22日に発表された11月第2週の東証の投資部門別売買状況によると、海外投資家の日本株式の買越額は1,292億円と10月第3週以来の高水準となりました。

これまで円高による企業業績の鈍化が嫌気され、海外投資家は、日本株式の持ち高を減らす傾向にありましたが、日本株の上昇の勢いが強まる中、持ち高が少ないことによって運用成績が劣後するリスクに対応するため、日本株式の積み増しに動いているとみられています。

こうした動きを確認するためには、株価が大きく上昇した11月第3週の売買状況が出るのを待つ必要がありますが、長期的な視点で運用する投資家の買いが入り始めたとすれば、日本株式市場の支えになると考えられます。

なお、最近の円安や株価の上昇が急ピッチであることや、一部には期待が先行し過ぎているとの見方が強まっていることから、円安や株高の進行は一旦調整に向かう可能性もあるとみられます。

しかしながら、総選挙後はどの政権・枠組みになっても金融緩和圧力が増すとみられることは、円安をもたらしやすいと考えられるほか、米国や中国の良好な経済統計の発表を背景に、足元で海外株式市場が堅調に推移していることなどから、海外投資家の日本株式買いは今後も活発化しやすい傾向にあると考えられます。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。

)(2012年11月27日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。

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