１つには、遠藤と香川の守備力の低さ（香川は、ファーストディフェンスの守備力は高いが、下がっての守備対応能力は低い）、それを補うために、という事だけではなく、左ＣＢの選手の守備負担を減らすためにも、左ＳＢの長友をあまり攻撃参加させない、という事。２つには、ビルドアップの時に、両ＳＢの選手を高い位置へ上げるのであれば、その時には遠藤を最終ラインの中央へ下がらせて、３バックの形にして、それでビルドアップに安定感を出させ、相手のハイプレスによって苦しくならないようにする、という事。その２つをやって欲しいと思います。
そして、攻撃については、得点シーンの駒野のように、どこかではドリブルで縦に突破する、という事ができないと、特に、この試合のベネズエラのように、しっかりとしたブロックを作る守備をしてくる相手からは、なかなか得点は奪えないかなと思います。本田、香川、岡崎、長友、ドリブル突破のチャレンジはしていましたが、相手の守備を慌てさせるような、相手の守備を突き崩すような、相手の複数人を引き寄せるような、そういう威力を持ったドリブル突破にまでは至っていなかったので、そこはもう１つパフォーマンスを上げて欲しいと思います。
センタリングからのチャンスというは、何回か作れていましたので、そこは良かったと思いますが、後は最後のところの精度ですね。特に香川には１つぐらい決めて欲しかったと思います。しかし、これは以前から何度も書いてはいますが、やはり、左サイドの香川というのは、どうしてもサイドだとプレーゾーンの幅が制限されてしまい、幅広く動いてボールを引き出す、動きで相手を制する、そういうタイプの香川にとっては、かなり窮屈そうな感じがします。本田という存在のために仕方ないのかもしれませんが、しかし、後半の途中からそうしたように、本田を１トップで起用するのであれば、ぜひ香川をトップ下で使ってあげて欲しいですね。
また、前田から本田、という１トップのチェンジが、その１トップのポジションのバリエーションやオプションを増やす、という意図があったのかどうかは分かりませんが、もしそういう意図もあったとしたならば、前田と本田では大枠でのタイプが似ているので、それならば、岡崎を１トップ、という事を試して欲しいなと思います。という事で、イラク戦へ向けてのテストマッチの１つは、スコア「１−１」、ベネズエラと引き分け、という結果でした。９月１１日のイラク戦へ向けては、９月６日にもう１つ、ＵＡＥとのテストマッチが組まれていますので、そこではもう１つ上のパフォーマンスを、個々の選手としてもチームとしても、きちんと見せて欲しいと思います。
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