試合 :キリンチャレンジカップ2012
開催日:2012年8月15日
結果 :引き分け
スコア:「1−1」
得点者:遠藤保仁 フェドール

○ 日本代表

FW:前田遼一
MF:香川真司 本田圭佑 岡崎慎司
MF:遠藤保仁 長谷部誠
DF:長友佑都 伊野波雅彦 吉田麻也 駒野友一
GK:川島永嗣

FW:本田圭佑
MF:香川真司 中村憲剛 藤本淳吾
MF:遠藤保仁 細貝萌
DF:長友佑都 水本裕貴 吉田麻也 槙野智章
GK:川島永嗣


まずは守備からですが、FWが右サイド(日本の左サイド)へ流れてボールを受けようとする事が多かったりして、ベネズエラは右サイド(日本の左サイド)から主に攻撃を仕掛けていたのですが、やはりザックジャパンの守備のウイークポイントは左サイドですね。香川、遠藤、長友、というユニットだと、守備に強い選手は長友だけで、その長友が、数的優位を作られて外されてしまったり、オーバーラップして戻れない状態になってしまうと、左CBの選手のカバーリングによる個の対応だけが、左サイドでの守備の頼みの綱になってしまう。

また、遠藤、香川、という選手たちなので、そこで巧みにボールをキープしてボールロスを起こさない、という事であるならば問題は少なくなるのですが、特に前後半の立ち上がりと後半17分の失点シーンでは、遠藤と香川がパスミスやボールロスを何回か起こしてしまっていて、もちろんその後には、遠藤も香川も戻って守備対応はするのですが、やはり下がっての守備対応というのは能力的に高く無い2人ですから、どうしてもそこを簡単に突破されてしまいますね。そうなってくると、長友を守備に専念させるなど、何かしらの修正が必要になっているかなと思います。

ベネズエラは、この前の南米選手権でベスト4という成績を残しましたが、やはり南米のチームだけあって、個々の選手に高いテクニックと球際での競り合いの強さがあり、尚且つ、守備ブロックを作って待ち構え、そこでボールを奪ったら縦に速く、という堅守カウンターサッカー、それを組織的にも成熟させているので、今の日本代表でも、まだ、ポゼッション率を高めて主導権を握る、という試合はさせてもらえない、そんな印象が強くしました。従って、まだ、ベネズエラぐらいの強さを有するチームと戦う場合には、ある程度しっかりと守備に人数を揃えて戦う、という必要があるのかなと思います。

そして、今野、栗原、内田、という選手が、9月11日、2014年W杯、アジア最終予選、第4戦、そのイラク戦には出場できない、という事で、その最終ラインのメンバーを誰にするのか、また、その大幅にメンバーが代わってしまう最終ラインの連携面などはどうなのか、そこがこの試合の大きなポイントでもあったわけですが、そこにも少し不安を残したかなと思います。駒野は特に問題無かったと思いますが、しかし、伊野波、水本、この2人に関しては、まだ連携面や個の力の部分で、太鼓判を押せるようなパフォーマンスでは無かった、そのように感じました。

そもそも、CBの人材というのは不足していて、ロンドン五輪では、Uー23日本代表の中では、3位決定戦の試合を除けば、安定感のある守備力を発揮していた吉田であっても、フル代表での試合となると、まだまだ安定感に欠けているところがあって、そのCBの力不足という部分は、やはり、全員でカバーするような守備の方法を採らないと、まだアジアが相手でも脆さがあるような気がします。特に、次のイラク戦では、これまであまり起用しなかった選手をCBの1枚として起用する事になりますから、更にそこをしっかりとサポートし、カバーする守備が求められると思います。