でも現実ではこの大会は基本的にアマチュアに押し付けたままでしたよね。
結果的にこの大会は昨年で廃止。
IBAFも正式に世界一のタイトルはワールドカップからWBCに移管するという結論を昨年末に決めています。

いまさら何を・・・というのが僕の正直な意見です。


そもそもMLBに対する選手会の持つイメージが悪すぎる。

よく誤解されていますが、MLB機構はWBCという大会収益そのものではそこまで儲けようとしていません。そもそもWBCなしでもむちゃくちゃ儲かってますし。
MLBは10年以上かけてWBC開催に向けて各球団を説得してやっと開催にこぎつけた大会。もちろん、選手を送り出す立場になる各球団が首を縦に振らないのは当然の話で、そのために必要だったのが「お金」という話。
自分たちの懐にお金が入ってくるから、各球団もWBCの選手派遣に協力するということになっているんですよね。

MLBはWBCを育てることによって、野球の国際化を促し、その国際化が将来的にMLBの先行投資になる、という考え。
最終的な目標は同じかもしれないですけど。

WBCは初代大会を開催したとき、もちろんですが赤字になればMLBが全額自己負担になるというリスクを負っていました。
その段階で日本が共催を持ちかけてリスクを一緒に背負うということをやっていれば、多少は違ったのかもしれませんが、大会が儲かると分かってからのこの日本の主張はMLBとしては面白くないのも分かります・・。

そもそも第1回大会ではアジアラウンドの段階では大して盛り上がってませんでしたし、最初からそれをアテにしていたとは思えないです。日本も辞退者いっぱいいましたし。

mlb各球団にメジャーリーガーの派遣に協力させるには、MLBが主催するという形で彼らの懐にお金が入るという仕組みじゃないと厳しいです。
結局IBAFが主催する大会を作ってもワールドカップみたいなことになるイメージしか浮かばないですね。



議論の的になる分配金の割合に関しても、大会に参加している選手の大部分がMLB、MLB傘下に所属している選手なわけですから、MLBの方が取り分が多いのはそんなにおかしいことじゃないような・・。

選手一人あたりの取り分でいうと、NPBの選手の方がMLBの選手よりずっと多いくらいなわけですし。

アメリカでは盛り上がってないのにMLBの取り分が多い・・という主張もよくわかりません。
アメリカで盛り上がりに欠いているのは、スポーツの国際大会にナショナリズムが生まれないという国民性や、選手派遣にあまり協力的でない各球団、やシーズンに向けた調整を優先する選手に責任があるわけですよ。
当たり前ですが、MLBは主催者なわけでして、むしろ大会を盛り上げるためにあれこれと頑張っているわけです。MLBに「アメリカで盛り上がってない」という状況の責任を押し付けるのは筋が通ってない。そもそもこの主張は感情の占める割合が大きいような。


日本は今回の選手会の論争について、日本だけじゃなく世界の野球界のためにやっている という主張もしています。
個人的にはここが一番の疑問点かな。

この主張をするならこの大会の他の問題点に対しても申し立てを入れてほしかった。

組み合わせの抽選化、第三国による審判、国際野球連盟加盟国すべての国が予選から参加するという仕組みにすること。

この大会に関してはお金の問題以外にもたくさんの課題があるわけです。
これらの問題点の指摘も同時にやっていれば、説得力もありますし、日本を支持する国もあったかもしれません。

でも結局は選手会はお金に関することしか強く主張していないので、ほかの国は「日本とMLBがお金の問題で揉めている」と他人事のようにしか見られていません。