ただバレンティンに関しては、先発ローテと同様、代わりが務まる選手がいる。

ポスト青木を目指して激しくポジション争いを繰り広げた選手がその穴を埋める期待が出来る。

もちろん去年31本のホームランを放った長打力という意味で、その穴を埋めることは難しいが、規定打席に到達した選手で最下位となる228という打率を考えれば、トータルでその穴を埋めることは出来るだろう。

候補は飯原・武内・雄平らという名前が挙がる。

雄平は1軍ではまったく実績はないが、オープン戦でも途中出場から結果を残すなど、打撃の成長は注目すべきものがある。

去年極度の大不振に陥った飯原も打撃好調、武内も選手会長として黙ってはいないだろう。

外国人枠の問題もあり、2軍で調整を続けることになったイムが完全復調すれば、バレンティンは外野争いだけでなく、外国人枠の争いにも加わらざるを得ない。

投手力に比べ打線の不安が大きいチーム事情はあるものの、去年後半のような不甲斐ない打撃が続けば首脳陣も決断せざるを得ない。

下位においてでも、その一発の魅力、相手に与える威圧感を期待したいバレンティンだが、戦い方、点の取り方を再考してでも、バレンティン切りにシフトを変えざるを得ない。

とにかく青木の抜けた今季は、チームを一から作り直すシーズンともいえる。

新たに選手を育てなければならないポジション、そしてベテランの次を考えなければならないポジションが多く、開幕から大きく出遅れ、下位に低迷するようなことがあれば、来季を見据え、若手へシフトするシーズンともなりえるだろう。

夏場には消化試合が始まるようなシーズンにはして欲しくはないが、今年は、そういう危険もはらんだシーズンであることは間違いない。

育てながら勝つ、監督にとっては最も難しい課題だが、青木に替わるチームの柱を一本通すシーズンにしなければ、来季以降も今年と同じような課題を抱えたシーズンとなる。

青木が抜け、年齢を考えればいつまでも宮本・相川に頼ってはいられない。

外国人依存も含め、チームリーダーの育成は急務のスワローズ。

優勝という大きな目標を目指すことは建前としてもちろんではあるが、今年はそんなリーダーとなりうる候補を発掘・育成するシーズンとも言える。

青木の穴がどういう形で埋まり、青木に替わるリーダーがいかに台頭してくるか。

それが目に見える形で現れてくれてくること=優勝という目標も現実のものとなってくるのではないだろうか・・・。