むろん、彼も現役を終わるまで痛みを覚えないことはまずないと思うけれど、痛みが出るのは遅いに越したことはない。プロはどれだけ自身の体を鍛えられるかが勝負だから、1年でも長くいい状態でプレーしてほしい。
そして、澤村は巨人に久しくいなかった“真のエース”になり得る投手だと思う。球に力のある右の本格派で、チームを背負っていたという意味では、V9時代の堀内恒夫以来だろう。「巨人のエースは日本のエース」、それを澤村には証明してもらいたい。
●江夏豊(えなつ・ゆたか)
1948年生まれ、兵庫県出身。現役時代は投手として阪神、南海、広島、日本ハム、西武で活躍。阪神時代の1968年にプロ2年目でシーズン401奪三振の世界記録を樹立、71年のオールスターでは9連続奪三振を達成。最多勝2回、最優秀防御率1回、最多奪三振6回、最優秀救援投手5回、沢村賞1回。通算206勝193セーブ。現在は野球評論家。最新刊『エースの資格』(PHP新書)が発売中
●澤村拓一(さわむら・ひろかず)
1988年生まれ、栃木県出身。身長183cm、体重96kg。右投げ右打ち。佐野日大高校3年生の夏は3番手投手で、登板機会のないまま県大会敗退。進学した中央大学で頭角を現し、4年春には大学生歴代最速の157キロをマーク。ヤンキースなどメジャー球団からの誘いもあったが、2010年秋にドラフト1位で巨人入り。昨年12月、日本テレビアナウンサー(当時。現在は退社)の森麻季さんと結婚
(撮影/五十嵐和博)
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