■2日目:23日(日)
 いよいよ本格的に上映が始まった2日目。舞台挨拶イベントも数多く行われた。

 中でも注目を集めたのは、グランプリの審査対象となるコンペティション部門に日本映画唯一の出品となる『キツツキと雨』。主演の役所広司、小栗旬、そして、沖田修一監督を招かれてイベントは行われた。

 会見で、ユーモアあふれる作品をつくれる秘訣を沖田監督に聞いてみると「必死で生きている人達が物語を作っていくと、ごくごく自然に人間が持っている面白みのような物が押し付けがましくなく脚本に乗ることがよくあるので、そのような事を大事にしながら脚本を作ります。また、それを俳優さんが楽しんで下さって演じることによってどんどんユーモアが生まれるのだと思います。」と答えた。

 監督の答えに対して、役所は「これだけ面白い台本を読むと、演じた時に面白くなくなったらどうしようという不安はあります。しかし、基本的に演じるときはこの人物は面白い人だと思って演じているのではなく、日常の中で理由があってこのような行動をしているんだと思ってやっています。それが監督が狙っているユーモアだと思いました。」、小栗は「沖田監督は撮影中、「特に何が悪いってわけではないけどもう一度撮ってもいい?」ということがありまして、それは監督にしか分からない微妙なずれがあるのだろうと役所さんとも話していました。なので、特別何かを変えて再び演じるわけではないけれど、監督には何か微妙な違いがあるのだろうと日々感じていました。」と、それぞれ沖田監督と仕事をしてみての感想を語ってくれた。

 
 この他にも『指輪をはめたい』で山田孝之、『歓待』で杉野希妃、グリーンカーペットの時にシースルードレスで一際注目を集めた『備えあれば』のチャン・シンユーら多数のスターたちの舞台挨拶が行われた。