――関さんはPerfumeが“近未来テクノポップユニット”と称していた頃から彼女たちのミュージックビデオをディレクションされていますよね。『トロン:レガシー』の世界観とPerfumeの“近未来”とはまた違うかもしれませんが、ミュージックビデオと同様に、映画のセットやコスチュームは気になりましたか?
関:そんな所ばっかり観てましたね(笑)、もう溜め息が出るぐらい。一見シンプルだと思うかもしれないですけど、逆にここまでシンプルに世界を統一できるのは、本当にすごいことで。「細部までこだわって作っているんだろうな」というのが滲み出ていて。もう嫉妬以外の何物でもないという感じですね。――2008年にPerfumeが初めて日本武道館でライブを行った時のオープニングで、近未来の飛行舞台に乗ったPerfumeの映像から、ステージ上にリアルなメンバーが登場する演出は、『トロン:レガシー』の世界観に通じるものを感じました。
関:あれはもう完全に『トロン:レガシー』の世界ですよね。デジタルのデータの海の中から彼女たちが出来上がったという流れで、それが武道館に降り立ったみたいな所に結び付けたんですね。――コンピューターの中の世界では個性的なキャラクターが多数登場しますが、関さんが気になったキャラクターは誰ですか?
関:やっぱり、クオラ(オリヴィア・ワイルド)ですね。強くて、綺麗で、スタイルが良くて、もうそれだけでOK!男子は、みんなもうメロメロでしょ(笑)。――最初のディスクを使った格闘や、バトンから変形したライト・サイクルでのレースや、ライト・ファイターでの空中戦など、アクションシーンについては如何でしたか?
関:もう開いた口が塞がらない感じで、ただただ見入ってましたね。すごく迫力があって、勉強させて頂きました(笑)。僕が偉そうに言うことは全く無いんですけど、素晴らしいですよね。例えば、男2人がディスクを投げ合うシーンとかは、本当にリアルな、緊張感ある人間の動きとか、人と人とのせめぎ合いみたいなものをすごく大事にしているんだとろうなと思いながら観てましたね。――途中「エンド・オブ・ライン・クラブ」というクラブのような場所で、本作の映画音楽を担当しているダフト・パンクが実際にDJとして登場するシーンがありましたが、映画音楽については如何でしたか?
関:僕の仕事はまず音楽があって、そこに映像を付けていく作業なんですけど、ダフト・パンクはこの映画に対して、音楽を付けていって。彼らはすごくマニアックで、映画が好きで、すごく観ているんですよね。僕は最初、ダフト・パンクが音楽をやると聞いた時、「割と、今までのダフト・パンクの流れでやるんだろうな」と思っていたら、意外とこの映画音楽然としたものから入っていって、もう盛り上げるピークの所で「さすが、ダフトパンク!」みたいな所を出して、ちゃんと感動させて終わらせていくのがすごいなと思いました。実は僕、映画は観ていなかったんですけど、サウンドトラックは持ってまして(笑)。最初それだけを聴いて満足していたんですけど、やっぱり映画で、映像と音楽を一緒に観なきゃダメだなとすごく思いましたね。ダフト・パンクのファンですけど、またすごく好きになりましたね。