タレント、俳優、MCなど多彩な活動で幅広い年齢層に人気を持つ“ぐっさん”こと山口智充。今年6月21日の「父の日」に合わせて、10代と20代の男女各200人、計800人を対象に実施されたアンケート調査で「理想の父親だと思うお笑い芸人」第1位(オリコン調べ)に選ばれた彼が、7月22日にアルバム「(有)山口モータース」を発売した。

――この「(有)山口モータース」というアルバムを制作するに際して、どんなアルバムにしたいか事前に考えていたことはありましたか?

山口智充(以降、山口):このファーストアルバムは結構、「じゃあ、出そう」と思ってから色々と考えていきましたね。曲自体のテーマとか、アルバムのテーマみたいなものは全く決めなかったですね。とりあえず今までにあった曲と、「アルバムを作ろう」と言ってから何曲か生まれた曲を10曲入れよう、ということしか決まってなかったですね。

――なぜ「(有)山口モータース」というタイトルにされたんですか?

山口:最初はこのタイトルじゃなくて、「山口智充 音楽集その1」という感じで、僕の中でもう決まってたんですよ。何でも分かりやすいのがいいって、もうシンプルに行こうと思っていたんですけど、アルバム作りをずっとやっていきたいと思ったんですよね。できれば1年に1回、形で出していければいいなと思った時に、1回「1」ってやっちゃうと、シリーズで2・3・4って数字が変わっていくだけじゃないですか(笑)。後で何かタイトルを付けたいと思っても、急に止めるわけにはいかないし、もったいないなと思って。

それと同時に、ジャケット写真を撮らなきゃいけない時期が来たんですね。その時に、アーティスト写真を最初に撮ったんですよ。これはALTAの屋上に三脚を立てて、セルフタイマーで自分で撮ったんですよ。みんなが休憩中の時に、自然な顔をして撮ったんですけど(笑)。最初はこれを「山口智充 音楽集その1」のジャケットにしようと思ったんです。そしたら「2の時にどうしよう?」って、もうバリエーションが無くなってくるじゃないですか(笑)。1でこれで、2でまた他所を向いて、3で服と体型が変わってくるだけで、面白くないなと思ったので。

「毎回ジャケットを変えられるものって何か無いかな?」というのと同時に、僕はこのツナギとか作業服とかワークファッションもそうですけど、職業的な要素もすごく好きなので。じゃあそれを形にしていけば、自分がその職業になりきっている写真が残っていくなっていうのと、同時に「(有)山口モータース」というものを2005年に作っていたので、そういう架空の職業も面白いなと思って。「(有)山口モータース」があったら、次は「山口建設」になって、「山口運輸」になって、ってどんどん職業が増えていけば、そっちの方が撮る写真が決まってくるなと思ったんですよね。

――以前から実在した「(有)山口モータース」は、何か活動されていたんですか?

山口:何にもしてないです!作業服と作業服屋さんが好きで、昔からチョコチョコ足を運んでいたんですけど、自分のオリジナルのツナギが欲しいなと思って、たまたまカタログで見て、背中と前にネームを入れてもらったんです。ちょうどバイクにも乗っているので、こういうのを着て乗りたいなと思って。それで知り合いとか、みんなの枚数分作って配って。チームにして、ツーリングの時に全員で揃ったらカッコイイなと思って。そういうのがあって、帽子と作ったんですよね。

――普通の会社には採用条件や企業理念などありますが、「(有)山口モータース」の場合は?

山口:何にも無いです!僕が「ええ人やな」と思ったら、それでいいかなと思いますね。アルバムを出すにあたって、「(有)山口モータース」の代表目線でメッセージを書かせてもらったんですけど(笑)。これが「山口建設」になればまたちょっと建築を掛けて、「基礎はこうであり」みたいな上手いことを言って、毎回この口上を変えていこうかなと思っているんですよね。「山口建設代表 山口智充」になったり、ベーカリーの時は「パンのようにふっくらと」みたいな、それが語れない職業はやめておこうかなと思って(笑)。