――この映画の伝えたい事とは何だと思いますか?

ジョシュ・ハートネット:それは監督に聞くしかないですね(笑)。でも、監督にその質問をしたら「あなたはどう感じた?」って言うと思います。ストーリーがどうこうよりも、五感で体感する映画だと思います。

――最初完成した作品を観たときどんな感想を抱きましたか?

ジョシュ・ハートネット:まず、ユン監督の編集に驚きました。例えば、僕も映像の編集作業を勉強しているんですが、人がニコニコ笑っている映像を撮っていって、その前にウッドストックを皆で鳴らしてる映像を入れると、その笑っている映像に理由が生じますよね。逆に、ウッドストックの映像の代わりにロンドンでの暴動の映像を入れたら、その笑顔の意味も、その人の人柄も変わってくるし。編集っていうのはそういう所にあると思うんです。

――見終わったあとも考えこんでしまうような、観る人によって解釈の異なるラストだったと思います。

ジョシュ・ハートネット:撮影が終わってロンドンにいたとき、たまたまイ・ビョンホンもロンドンにいたので監督と3人で完成した作品を観ました。見終わっても2分間誰も何も言わなくて。僕がトイレに、ビョンホンがタバコにといってその静寂は終わったんですが、今まで関わった作品とはまるで違いますね。観客に意味をゆだねるために、意図的に曖昧にしているのだと思いました。

――番苦労したシーンはどこですか? 魚の浮き袋を食べるシーンもありましたね。

ジョシュ・ハートネット:いやいや! あれはとても美味しかったので、あの後もっと食べたくらいですよ(笑)。苦労したシーン…、連続殺人者のハスフォードとのシーンですね。今でも完全に理解はしていません。

――この作品のテーマの1つに“癒し”があると感じているのですが、ご自身は日頃どんな時に癒しを感じますか?

ジョシュ・ハートネット:僕はニューヨークに住んでいるので、自然に帰るととても癒されますね。新鮮な空気と小川の音と小鳥のさえずりと…。あとは友情も大きな癒しでしょうね。愛情は、時には癒しですが苦しみも伴うでしょう(笑)。

「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」ストーリー
他人の痛みを我が身に引き受けることができる不思議な力を持つ男シタオ(木村拓哉)が失踪し、捜索を依頼された探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は、彼の足跡を追ってロサンゼルスからフィリピン、香港へと渡る。そこでクラインは、香港マフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)もシタオを探していることを知るが…。

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アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン - 作品情報