――厄年とか、そういうの気にするんですか?

Aira:全然気にしてなかったんですよ!今年になってから、去年厄年だったのを知って、「うわ!確かに」と思うことが色々あって。友達にはすごく暗い話ばかりしないんですけど、プロデューサーのTerukadoさんだったり、アーティストの内面を知るために色々としゃべったりするじゃないですか。それが「サヨナラ TECHNOPOLiS」みたいな内容で、そのまま歌詞にしてもらった感じですね。

――割と悲観的というか、絶望的な感じですよね。

Aira:そうなんですよ、救いようが無いというか。

――現代社会を象徴しているとも言えますね。

Aira:みんな10代の頃に感じるものなんですかね?

――確かに10代ならではの感受性もあると思うんですけど、同じ時間を生きていても同じものを見て同じように感動しないだろうし。程度の差はあれど誰もが悩みを抱えてると思うんですけど、割と根深い部類だなと思って。

Aira:10代の頃は苦しい、悲しい、辛いとかばっかりで、追い詰められてく一方だったんですけど、20代になってからは反対に「じゃあ、どうするか?」を考え始めるようになって。「サヨナラ TECHNOPOLiS」を制作したことが良かったのかなとも思うんですけど、リリースすることによって、そこから一歩踏み出せる自分になれたような気がします。

――歌詞の内容もありつつ、サウンドだけでも充分に楽しむこともできますよね。

Aira:今までAiraは4つ打ちのエレクトロをやってたんですけど、今回BIG BEATという新しい音楽性に挑戦してて。多分、なんでAiraがBIG BEATをやるのか不思議に思う人もいるかもしれないんですけど、海外のDJシーンでは今、BIG BEATが結構熱くて。FIDGET HOUSEとかBmoreと呼ばれてる人達がいて、そのリミキサーで最近注目度の高いイタリアのCROOKERSというアーティストがいるんですけど、GAN-BAN NIGHTでもすごく注目してて。DJプレーもすごく遊び心があって、観てても楽しめたんですけど、「4つ打ちじゃないのにカッコイイな」というサウンドを掛けてて、その曲がTHE PRODIGYだったんですよ。

 それを切っ掛けに、帰ってからTerukadoさんとも「Airaのサウンドにも、そういう新しい音楽性というか、新しいことをしたいと思ってた」みたいな話で盛り上がったりして。それで今回、年明け第一弾ということもあって、新しいBIG BEATに挑戦しようかなと思ったんです。でも、今やるなら焼き直しではなく、今までAiraがやってきたエレクトロ×BIG BEATみたいな、新しいサウンドを打ち出せないかな?と思って出来たのが「サヨナラ TECHNOPOLiS」なので。詞だけじゃなく、歌モノじゃなく、サウンドとして聴いてもらっても面白いんじゃないかなと思います。

――「ロボットハニー」に続き、オリジナル曲がありつつ、リミックスも含め全10曲で1000円となってますが、それは今後も続けていく感じですか?

Aira:そうですね、リミックスは今回Traks Boysさんにお願いしたり、また新しい試みとして色んな人にお願いしていきたいなと思ってます。金額もお手頃プライスで、リスナーの立場ではすごくいいなと思うんですけど。実際の所、自分がレコーディングになって新曲が4曲あると、ちょっとツラさはありましたね、ぶっちゃけ(笑)。今回「COSMiC CHOPPER」という曲がすごく難しくて、Terukadoさんの仮歌がすごく細かい所でハネてたり、フレンチエレクトロファンクみたいな感じなんですけど。しかも「マイケルみたいに歌って」って。「え!マイケル?」と思うじゃないですか。

――昔のマイケル・ジャクソンではなく、最近ニュースで目にするようなマイケルをイメージするとね。

Aira:そうですよね。Terukadoさんは結構ブラックミュージックが好きみたいなんですけど、Airaにはブラックミュージックの引き出しがあまり無かったので、レコーディングには結構苦労しましたね。「サヨナラTECHNOPOLiS」のシングルって、全体的にどの曲も暗さと言うか、ちょっとダークな感じが。