[画像] インタビュー:倉木麻衣「16歳でデビューして、学校との両立の中で」

 1999年10月、当時16歳にしてMai-K名義のシングル「Baby I Like」で全米デビューを果たし、同年12月にシングル「Love, Day After Tomorrow」で鮮烈な日本デビューを飾った倉木麻衣。2008年12月8日から記念すべきデビュー10年目に突入し、1月21日には通算8作目となるオリジナルアルバム「touch Me!」の発売を控える彼女。第1回目の今回は、学業と並行して音楽活動を行ってきた、デビューから2005年3月に立命館大学を卒業するまでについて話を聞いた。

――12月8日でデビュー10年目に突入されましたが、振り返ってデビュー当時に印象に残っていることはありますか?

倉木麻衣(以降、倉木):一番印象に残っているのは、自分のデビュー曲がラジオから初めて流れてきたことですね。本当に、まさかこうやって自分の曲を歌って大勢の方に聴いてもらえてるとは夢にも思っていなくて。それが叶った時、ものすごく感動したのと、これからスタートしていくんだっていう不安と期待は、今でも鮮明に覚えていますね。

――その当時、どんな歌を歌いたいとか、どんなアーティストになりたいというイメージはありましたか?

倉木:その時はこういうアーティストになりたいというよりも、まず歌を歌って、自分が歌っているこの歌声をみんなに届けたいという方が強かったので。憧れは後々デビューして1個ずつやっていく内に、もうちょっと魅せられるようなアーティストになっていきたいなとか、作詞も自分でもっとたくさん書いていきたいなとかですね。

――歌詞という形ではなくても、文章を書くことはデビュー以前からされていたんですか?

倉木:文章を書いたりというのは、あまり得意ではなかったので、これといって書いてはなかったんですけど。初めてデビュー曲を書かせて頂いて、「歌詞って、こういう風に書いたらいいんだ!」「こうやって文字に書いて、みんなに伝えるのは、すごく素敵なことだなぁ」って、そこで発見して。

――倉木さんは、文系か理系かといえば、どちらですか?

倉木:どちらかというと、文系だと思います(笑)。

――デビューから現在までの中間地点と言うか、2004年1月に初のベストアルバム「Wish You The Best」を出されて、翌2005年3月には立命館大学を卒業されましたが、大学での想い出は何かありますか?

倉木:クラスでゼミという授業があって、色んな人の思っていることとかをディスカッションするんです。大学に入学して初めての顔合わせでクラスのみんなに会って、その時にはもう「倉木麻衣」という名前をみんなが知っていたんですけど、普通に学生として迎えてくれたので、私もそこにいることがすごく快適だったというのもあって。近くのカフェでお茶したり(笑)、そういう思い出とか。授業に間に合わない時とかは、普通はみんなちゃんとバッグを持って、鉛筆を筆箱とかにちゃんと入れて授業に出るんですけど、私の場合はバッグを片手に掛けて、もう消しゴムとペンだけを持って、サッて入って。それで、前の席はあまりみんな行きたがらなくて、必ず空いてるんですよね(笑)。でも私は結構、前に行って先生の話を聞くのが好きで、いつも前に行ってましたね。

――好きな授業などはありましたか?

倉木:好きな授業は色々あったんですけど、語学の授業もすごく好きで。英語、中国語、スペイン語、韓国語とか色々あって、何項目かを選択できて。その中でスペイン語を1年の時に専攻していて、先生もすごくいい先生で、スペインの文化にも興味があって勉強してたり。あとゼミの授業で、色んな人と考えを交換できる場は、すごく好きでしたね。

――16歳でデビューされて、学生でありながらも、プロのアーティストという意味では社会人として、音楽活動と学業とを両立させてきたかと思いますが、大学を卒業されて音楽活動に集中する時間が増えてから、物事の考え方など何かそれ以前と変わったと感じる部分はありますか?

倉木:社会に出て、まず20歳を迎えた時からは「もう自分はちゃんとした大人だから、責任を持って、積極的にやっていく」ということを意識するようになりましたね。何か一つのものに対して、自分が言ったことをきっちりと最後まで貫いていくというのは、変わった所なんじゃないかなと思います。

――話を伺っていて、ちょっと耳が痛いなと。

倉木:そうですか?(笑)。

――例えば、20歳の誕生日を迎えた時に、「自分が小さな頃に想像していた20歳はもっと大人だと思っていたけど、実際に20歳になった自分にはその実感が無い」というような話をよく耳にするので。倉木さんのライブのMCを聴いていても思うことなんですけど、すごくしっかりされている人だなと。

倉木:そういう意識をする、しないというのは、もちろん環境とかもあると思うんですよね。やっぱり私の場合は16歳でデビューして、学校との両立の中で、周りに支えられる部分もすごく多かったんですけど、知らず知らずの内に「自分がしっかりしなきゃ!」という意識が自然と身に付いていったのかな?って、今振り返ってみると思うんですよね。

第1回「16歳でデビューして、学校との両立の中で」(2009年01月07日)
第2回「台湾でも活動できたらいいな、という夢を持っていた」(2009年01月14日)
第3回「リアルな想いを怖れずにぶつければ」(2009年01月21日)
第4回「形に捕われずに、幅広い音楽を歌って届けていきたい」(2009年01月28日)

倉木麻衣 ニューアルバム「touch Me!」特集