――知り合っていく内に、第一印象と変わったことなどはありますか?

大山:プライベートでご飯を食べた時に、ぶっちゃけトークじゃないですけど(笑)、お仕事の話とか、女の子同士がするような話とか、すごく色々な話をしたなぁ。

戸田:お互いに自分が仕事に対して抱いていることをぶつけ合って、すごく共感できる所があったし、同じような経験をしていたんだよね。分かち合える部分があったというか。

大山:私が思っていることと同じようなことを彼女が思っていたり、不思議なんですけど、彼女とはすごく楽に接することができるんです。気を遣う友達と、気を遣わない友達と、色々な形の友達同士の付き合いがあって。ずっと仲がいいという友達もいれば、一瞬にして解け合える友達もいると思うんです。彼女とは、ずっと小さい頃から学校が一緒だったとかじゃないけど、お仕事を通じて「何かを表現する」という同じ部分をすごく感じ取れたりしていて。でも、話すことは10代20代の女の子がするような、食べ物の話だったり、今何にハマっているとか。彼女は若いので、すごく元気で楽しいんですよ(笑)。

戸田:気が付いたら、私がずーっとしゃべっているんですよ。どちらかと言うと、私はあまりしゃべる方ではないんですけど、何故かすっごくしゃべっちゃう。

――大山さんは聞き上手と言うか、話しやすい雰囲気がありますよね。

戸田:話しやすいし、話を聞いてもらうことで、逆に百合香ちゃんの話を聞きたいというのもあって。ちゃんと返してくれるので、すごく学べるんですよね。

――そうやってすごく共感できる部分もあれば、逆に自分との違いを感じる部分はありますか?

戸田:ありますね。百合香ちゃんは「自分の心から思ったことを伝えたい!」という風に、お客さんに作品を伝えていて。私はお客さんに対して「これを伝えたい」じゃなくて、「この役だったら何が出来るかな?」って、そこが違うというか、欠けているなと思って。「こういう役をやって、こういうことを学んで」という目的がちょっと違ったりするんですね。その違いを一番最初に受けましたね。

――同じ表現をする仕事でも、歌手と女優とでは表現の性質が違うかもしれないですね。

戸田:というのもあると思うんですけどね。きっとそれは、百合香ちゃんが歌手だから、自分が今抱いている気持ちとか考えをストレートにぶつけられるじゃないですか。役者は「自分が今こう思っている」と伝えられるのは、こういう取材とかでしかなくて。作品をやっている時って、あくまでも自分の気持ちではなく、役の気持ちを伝えていて。作品を見たことで、お客さんが自由に感じ取るものだったりするじゃないですか。お客さんに見せるもの、伝えるもの、そのやり方がちょっと違うような感じはしましたね。

大山:普段会っていると、そういう役とかに縛られていないプライベートの彼女をすごくダイレクトに見れるから、嬉しいですね。「伝える」というのは一緒で、彼女は色々な役によって表情も言葉も変えなきゃいけない、逆に私は一つなんですけど、嬉しい気持ちや悲しい気持ちを伝えたい。そこで彼女のような気持ちを取り入れたら、何かもっと幅が広がるような気がしていて。ライブでも、もっと違う表情を見せられたら、楽しめるんじゃないかな?というのがあって。職業柄、違うとは思うけど、お互いに違うものを交換できる、すごくいいきっかけをもらったなと思うし。普段も本当に色々な顔を見せてくれるんですよ!だから一緒にいて、すごく楽しいんです(笑)。