9月5日(日・現地時間)、ラスベガスのハードロック・ホテル&カジノで行われたWEC(ワールド・エクストリーム・ケージファイティング)30、日本でも活躍しADCC世界王者でもあるハニ・ヤヒーラが、バンタム級王者チェイス・ヴィービーに挑戦したが、0−3の判定で敗れた。

 これが自身にとって初めてとなるバンタム級でのMMA戦、そして5分×5Rマッチ。寝技で王者を圧倒するという予想をされていたハニは、周囲の期待通り1Rから足関節、ギロチンチョーク、肩固め、さらには腕十字とノンストップで、攻め続けた。しかし、ヴィービーはこれをパワーで押しのける、と、2Rを迎えたころには、ハニはすでにスタミナをロスし、動きが鈍くなる。

 徐々に試合が王者ペースになると、ハニは2度に渡りバックマウントを許すなど、厳しい展開に追い込まれる。ヴィービーは、トップをキープし、エルボー&パウンドで攻め、ハニの関節技を跳ね返していく。
「精神的に厳しいファイトだったけど、その精神面で僕は優っていた」というヴィービー。

その後もトップから攻め続けた王者が、最強のチャレンジャーと思われたハニを3−0で完全粉砕した。バンタム級王座奪取から、フェザー級に再転向、王者ユライア・フェイバーに挑戦というハニ陣営の計画は、早くも修正が必要となった。
「僕はワインランドに勝った試合で、5Rを経験していた」というヴィービーは、しっかりペース配分ができていたといえるだろう。一方、序盤で仕掛けたハニは、初めてのバンタム級の試合でスタミナ・ロスをすることを予め予想していたラッシュかもしれないが、5Rという長丁場で闘うには余りにもリスキーな戦術だったといえるだろう。
 
 なお、メインでWEC世界ライト級王座防衛戦に挑んだロブ・マックローは、リチャード・クランキルトンをわずか1分29秒、TKOで下し王座防衛に成功した。