――今作のアルバム「そら」で5作目のアルバムとなりますが、2003年に「Jupiter」でデビューされてから、約3年間で5作のアルバムとかなりのハイペースですね。学業と並行して活動していく中で、休みが欲しいと感じたことはありませんでしたか?

平原:音楽をやれることが幸せだったので、休みたいと思ったことはなかったのですが、学校の勉強が音楽だったので良かったなと思っていて。でも、歌ではなくサックスなので、サックスの練習や他の宿題とか、そういうものをする時間が結構無いので、それはちょっと苦しかったなぁ。

――レコーディングで苦痛に感じたことはないですか?

平原:いや、苦痛ですよ(笑)。音楽は楽しいと思いますけど、レコーディングは自分のプライドというのも出てきますしね。ここまでやりたいけど出来てない自分がいて、自分の作品だから自分しか乗り越えられない。時にはもう朝の5時までやったこともあるし、普通に15分位で終わっちゃう時もあるし。色々ありますけれども、楽しい所には苦しさもあるし、辛さもあるし。でも、そういうのも引っくるめて楽しいなと思えるのは「音楽が好きだから」という結論に行き着いたので。幸せだなと思うけれども辛いですよ。でも、その辛さは学校があるからとかではなくて、学校が終わってからも続くと思います。

――今回のタイトルが「そら」ということで、頂いた資料には「世界を意識した」と書かれていましたが。

平原:ここまで大きく言うつもりもなかったんですけど(笑)。世界にというよりも、必然だったかもしれないということが多くて。計6カ国の方に参加してもらったんですけど、もう偶然なんですね。あえて集めたわけではなくて。作った人の名前は関係なく、曲を聴いていいと思ったものを選んだ結果、6カ国になったんです。まずはアジアの人達に「平原綾香ってどういう存在なのか、どういう歌を歌っているのか」というのをちゃんと伝えた上で、世界に歌を届けていかないと。やりたいだけじゃダメなんですね。だからしっかりと、大変な夢ですけれども、夢は必ず叶うんだっていうことを考えること。そして、自分の夢は大きな夢でも口に出して言うこと。これはすごい大切だなと思っていて。韓国や台湾などその他の国でも今「4つのL」がリリースされていますけれども、色々と自分の夢が広がってきてる最中です。あとは卒業したら身体が十分に空くので。これから初めて平原綾香という1人の人間が社会に出て、初めて始動するんですね。フル稼働するんです!それが楽しみで、ワクワクしてしょうがなくて。この夢を忘れなければ、きっと世界にも届くんじゃないかなと思います!

――「そら」というタイトルは、いつ決められたのですか?

平原:これは2曲目のレコーディングの時に決めたんですね。最初にレコーディングしたのが「そら」という曲で、「綺麗な空気、綺麗な空が見える所で録ろう」と言って、長野の菅平という所で皆で「せーの!」で録って。「あぁ、『そら』か、いいタイトルだな」と思ったんですけど。次に「感謝」という曲を歌って、「空に感謝します」ってあまりにも直球すぎて、「これは歌詞を変えてもらった方がいいんじゃないかな?」と変なことを考えていたんですよ。でも、よく考えてみれば、空って皆どんな遠い国でも繋がっているんですよね。もっとアジアに届けたい、世界に届けたいという気持ちや、夜空や朝日とかシチュエーションは違うかもしれないけど、見ている空は同じなんだなぁと考えた時に、歌詞を変えるとかはせずに、普通に「そら」でいいんだと思って。2曲目で気付いて良かったなと思いました。自分の心にも合っていたし、「そら」って人の心にもよく似ているから。