15日の北中米W杯アジア最終予選でインドネシア代表と対戦する日本代表が14日、試合会場のゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムで公式会見を行った。森保一監督とMF遠藤航(リバプール)が出席した。
以下、森保一監督、遠藤航の会見要旨
●森保一監督
「超アウェーで我々にとって厳しい戦いになると思うが、日本サッカーを楽しみにしてくださっているインドネシアの方々が大勢いらっしゃるし、アウェーの地で我々日本代表とともに戦ってくれる日本人の方々もたくさんスタジアムに駆けつけてくださるので、厳しい戦いを日本一丸で戦い抜いていきたい。選手たちは非常にいい準備をしてくれている。明日の試合、それぞれの良さも出しながらタフに戦い、チーム一丸となって思い切って戦ってほしい」
●MF遠藤航(リバプール)
「このアウェーの地に来て、インドネシアのサポーターは熱いというのはうかがっていて、こうして現地に来てあらためてその熱さを実感している。インドネシアの方々が日本代表の選手たちを歓迎してくれて感謝している。ただ明日は敵になるのでしっかりリスペクトを持って、最大限のパフォーマンスを発揮できるようにいい準備をしたい。個人的にも高いパフォーマンスを見せて勝利に貢献できるように頑張っていきたい」
―(森保監督への質問)守備的に相手が来た場合はミドルシュートの重要性が高まるが、意見を聞かせてほしい。
森保監督「明日の試合の我々の攻撃のオプションとして、シュートチャンスを逃さないということは選手たちに持ってもらいながら試合に挑んでほしい。ただインドネシアが守備的に来るかというのは全くわからない。特に試合の入りはホームのサポーターの声援を受けて、かつこれまでの試合の中でもアグレッシブに試合に入ってくるというチームとしての戦い方があるので、相手がブロックを作って守備的に来ても、アグレッシブに前からプレッシャーをかける戦いをしてきても柔軟に対応できるように準備しないといけない」
―(森保監督への質問)相手が日本対策をしてくる中で、相手のプランを破るためにどんなことが大事になるか。
森保監督「9月、10月の戦いで試合を重ねるごとに相手が対策をしてきていると感じている。インドネシアとの対戦でも、過去のインドネシアのチームとは全く違うパワーを持ったチームになっており、我々の分析もしっかりシン・テヨン監督がされていて、対策してくることを覚悟して臨まないといけない。ただ我々も対策しつつも、大切なところは日本代表にはたくさんの素晴らしい選手がいること。その選手たちが同じ絵を持って、戦いに挑むかということも大切。相手のことももちろん分析し、対策もするが、我々が、選手たちが100%試合中に力を発揮できるようにしていかないといけないと考えている」
―(遠藤への質問)最終予選での唯一の失点は出場機会のなかったオーストラリア戦だが、GKから前に蹴ってカウンターを受けたのが問題だったと思う。ああいった危険な状態が起きないように何を気を付けてプレーしたいか。
遠藤「オーストラリア戦は90分通して守備は基本的に良かったと思っていて、マンツーマンで行きながら前向きな守備ができていた。ただ結果的に失点シーンに関しては、マンツーで行ったがゆえに失点してしまった。ファースト(ディフェンス)で競り合いに行って、こぼれ球を拾われてクロスを上げられた。オウンゴールだったが、谷口選手のところの負荷がかかってしまった。マンツーで行くイコール、後ろはかなりキツくなる状況が想定されるので、あのシーンに関してはマンツーで行きながらも、もし自分がボランチでプレーしていたらファーストで競りに行っていたなとか、あそこでマンツーで前がかりにいくかというのは今の課題というよりは、どこにリスクを取るかの話だと思うので、自分が出た時にはマンツーに行きながらも後ろにどうヘルプに行くかを考えながらプレーすべきだと思っている」
―(現地記者から森保監督、遠藤への質問)帰化選手がアジア杯よりも増えているが、どう対策するか。
森保監督「インドネシアは以前のチームとは全く違うチーム構成になっている。帰化選手が多くなり、ピッチ上にはほとんどヨーロッパでプレーしている選手たちが立つと認識している。対策としては個々のプレーヤーの特徴と、誰が出てもシン・テヨン監督が求める戦い方があるので、チーム戦術のところも分析させていただいている」
遠藤「インドネシアは前回のアジア杯でもすごく良いチームだった印象はある。ボールを動かしながら作っていくところと、セットプレーも良い準備をしてきていた印象がある。今回も同様に難しい試合になるイメージで予想はしているが、そこの対策も含めて自分たちもいい準備はできているし、インドネシアは戦力的に帰化選手を入れてきて強くなっていると思うが、自分たちも戦力には自信を持っている。アウェーの地でもチーム全員で勝利を目指していきたい」
―(現地記者から遠藤への質問)リバプールのアルネ・スロット監督と日本代表の森保一監督の違いは。
「守備に関しては言えばそんなに大きくは変わらないと思う。スロット監督も前線を含めてハードワークも求める監督で、それは森保さんが大事にしている部分。どちらもチームのために走って戦うという部分は強く求めている。攻撃はスロット監督の方がポジショナルというか、選手をより細かく配置する監督だと思う。森保さんはよりフレキシブルで、ベースの部分がありつつ、(ビルドアップで)4枚を作ったり、3枚を作ったりの選択肢を選手に与えている。昨季のクロップ監督のようなスタイルだという印象」
―(現地記者から森保監督への質問)W杯最終予選を突破することにどれくらいの自信があるか。
森保監督「自信という意味では素晴らしい選手・スタッフがいて、我々日本代表を支えてくれるファン・サポーターの皆さん、国民の皆さんの力をお借りして、W杯本大会の舞台に駒を進められると思っている。チームとしてもW杯でチャンピオンになる目標を持ちながら、大きな志を持ちながら目の前の一戦一戦に全力を尽くす姿勢で戦っているので、まずはインドネシア戦に向けて我々の全てをぶつけて戦い抜きたい。そして確実に前進できる結果を掴み取りたい」
―(現地記者から遠藤への質問)リバプールでのパフォーマンスは日本代表にどのような影響を与えているか。
遠藤「試合に出ていないと常に言われるのは、試合勘がどうか、パフォーマンスがどうかというところだが、個人的にはこれまで試合に何百試合も出てきている中、試合勘にそこまで大きなギャップが生まれることはない。試合に出ていない中でも、しっかり練習をしてコンディションをキープしているし、代表ではキャプテンとして高いパフォーマンスを見せないといけないので、自信を持ってプレーするだけ。そう見られているのはしっかりとわかった上で、いいパフォーマンスを出すだけ、与えられたチャンスの中で100%全力でやっていくだけだと思っている」
(取材・文 竹内達也)
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