「マイルCS・G1」(17日、京都)
外国馬として13年ぶりにマイルCSに参戦する英国馬チャリンが13日、京都競馬場芝コースで最終追い切りに臨んだ。初コンビのムーアを背に6F81秒1−36秒8−12秒2。パワフルな動きを披露して、今年マイルG13勝の現役欧州最強マイラーの実力をアピールした。美浦Wではマイル初挑戦の昨年のエリザベス女王杯覇者ブレイディヴェーグ、栗東CWでは富士Sで重賞初制覇を飾ったジュンブロッサムがそれぞれ好仕上がりを示した。
意気込みは本物だ。外国馬初のマイルCS制覇を目指す英国のチャリンが京都競馬場芝外回りコースで最終追い。「調教は動かない」という前評判を覆すようにムーアを背に、514キロの巨漢馬が躍動した。ラストで鞍上が仕掛けると、1F12秒2を出して日本でのG1獲りをアピールした。
タイムは6F81秒1−36秒8−12秒2。ファーストコンタクトとなったムーアは「ハードな追い切りではなく微調整。コーナリングも息遣いも良かった。ラスト400メートルはよく伸びていたし、仕上がりは非常にいいですね。乗ったのは初めてでも、他のレースで一緒に走ってこの馬のことは分かっています」と手応えを伝えた。動きを確認したヴェリアン師も「直線では手前を変える伸びやかでいい走り」と満足げにうなずいた。
やる気も確かなら戦績も本物。今夏に英クイーンアンSで初G1制覇を果たすと、仏ジャックルマロワ賞を3馬身差で快勝。前走の英クイーンエリザベス2世Sでも勝負根性を爆発させて3つ目のG1獲りに成功。勢い十分での来日だ。
「3歳最終戦から今年3月までの休養で非常にフィジカル面が発達しました。スプリンターのようなスピードを持ちながらスタミナもある」と師。経験の少ない右回りについてムーアは「坂やコーナリングをうまくこなしていました。欧州でもサンダウンやグッドウッドなどで経験があるので問題ないでしょう」と分析した。
今回がラストラン。既に種牡馬入りが決まっている。「日本人である私の妻からの進言もあってこのレースはずっと前から検討していました。欧州のチャンピオンホースの走りを楽しみにしてほしい」と師。英国からやって来たダークエンジェル産駒の芦毛。日本馬にとって脅威の存在だ。