5バックで引いて守る相手をいかに崩すか。味方のFWをどう活かすか。日本代表MF伊東純也(スタッド・ランス)の頭の中はそのいずれについてもすっきりと整理されている様子だ。

 インドネシア戦を2日後に控え、相手の印象を聞かれた伊東は「オランダからが帰化している選手が多くて、僕もベルギーの時に対戦した選手がいますし、個の力はちょっと上がっているというのは感じます」とコメント。その上でインドネシアがボールを奪われた後の守備の統率が遅れる弱点を持っていることを指摘し、「奪った後、いい形でいいクオリティの攻撃ができればチャンスになるかなと思う」と狙い目を明かした。「日本を相手にするときアジアの国はみんな5バックで守るので、その崩しは今できている」とも言った。

 タイプの異なるFWをどう活かすかという部分についても明確な狙いを持っている。

「誰が出るかによりますけど、(小川)航基だったら(上田)綺世と同じタイプで、(古橋)亨梧は裏抜けが得意なタイプ」

 センターフォワードの特徴を語りつつ、「僕がクロスを上げるとしたら選手によって質は変えると思う。航基ならボックス内の駆け引きの後のワンタッチのヘディングが得意だと思うので、そこにうまく合わせられるといいなと思う。亨梧なら一瞬の駆け引きで(DFを)かわすところは見てあげればいいかなと思う」と言った。

 誰が出ても得点のお膳立てをする自信はあるが、特に今回は久々に招集されている古橋を日本の武器としていくためのプレーに注目が集まりそうだ。

 古橋とは2歳違いだが、大学時代からよく知る間柄だ。「彼とは長いので良さは分かっている。裏抜けなど、一瞬のところ。小さくてもゴール前の駆け引きとか上手いので、そういうクロスのところも入っていくことが上手い。シンプルに足も速いので、シンプルに小さいスペースに足元に速いボールをつけたりっていうのが亨梧は得意。そういうところに速いボールをつけてターンしてシュートだったりっていうのを持っている。彼の特長を活かしてあげられるかなと思う」

 欧州で驚異的なゴール数を叩き出している古橋の能力が森保ジャパンで活かされれば日本の大きな武器になる。伊東はそこまで見ている。

(取材・文 矢内由美子)