DF陣にケガ人が続出している中、リーダーシップへの期待も高い。日本代表DF板倉滉(ボルシアMG)はそれをしっかりと自覚している。
北中米W杯アジア最終予選C組の戦況を複雑にしているインドネシアとの試合を2日後に控え、非公開練習を行った森保ジャパン。練習後に報道陣に対応した板倉は「声をかけてやっていきたいですし、自分だけじゃなくてチーム全員が声を掛ける必要があると思っている」と高い意識を示した。
今回の活動ではここまで3バックの中央でプレーしてきたDF谷口彰悟(シントトロイデン)が負傷によって参加を辞退。谷口のポジションは1997年1月生まれの27歳で、今回のセンターバック陣の中で最年長の板倉が任される可能性が高いが、不安はない。
「(所属)は、チームで3枚をやるとしても真ん中をやるし、どちらかというと右のほうがやっていなかった。だからスムーズに対応できるかなと思う」
インドネシアにやってくるのは川崎Fから仙台に期限付き移籍していた2018年以来6年ぶり。当時、U-21日本代表の一員としてアジア競技大会に出場していた。
2018年ロシアW杯後、A代表と東京五輪を目指す年代別代表の兼任監督に就任した森保一監督が指揮を執った最初の公式大会。今回の練習場が当時も使った場所であることを懐かしんだ板倉は「ロッカールームのこの感じを覚えているし、森保さんの(50歳の)誕生日にここで水をかけたのも思い出した」と茶目っ気混じりのエピソードも披露した。
50歳の誕生日で水をかけられた森保一監督
それから6年。久々にやって来た場所で「もちろんA代表に入りたいという思いでずっとやっていましたけど、(6年後に)ドイツでプレーして代表活動に来るというのは全然想像していなかった。あの時があっての今だと思う。また次回来る時はさらにステップアップとかできていたらなと思う」とも言った。
「ただ、あの時とはスタジアムの雰囲気も全然違うと思うし、相手の(試合に)かける思いも違うと思う。一瞬たりとも気は抜けない。へんなところで盛り上がったり、相手が乗ってきたりっていう流れはあると思うので、そこもちゃんと想定しながらゲームをコントロールしないといけないと思う」
インドネシアには1月のアジアカップで対戦して3-1で勝利しているが、その当時とはメンバーがガラリと変わり、実力を増している。十分に気を引き締める板倉がDFラインを統率し、新興国の野心を打ち砕く。
(取材・文 矢内由美子)