◆「昔の自分に負けたくない」

――SKE48に受かる前に、AKB48のTeam 8やAKB48グループのドラフト会議やHKT48にも挑戦したけど、なかなか夢が掴めなかったんですよね。その頃の自分を振り返って思うことはありますか?

井上:当時はずっと泣いていたけど、諦めなくてよかったって思います。高校の進路に迷っていたタイミングでSKE48 のオーディションが開催されていて、自分にとって最後のチャンスぐらいの覚悟で応募したら合格して。本当に巡り合わせだったんだなと思います。だから、SKE48 が私を救ってくれたという気持ちは誰よりも強いです。

――そもそも、アイドルに憧れるようになったのはいつから?

井上:AKB48の板野友美さんが好きだったけど、アイドルになりたい気持ちはなかったんです。小学6年生のときにHKT48に田中美久さんが加入して、同じ熊本出身で年齢も一緒だったから、握手会に行ったり、選抜総選挙で投票したりするぐらい夢中になって。それを見ていたお母さんがTeam 8のオーディションに応募してくれていて、最終審査で落選したときに悔しかったんです。そこからアイドルを目指したいって真剣に思うようになりました。

――そんな順風満帆な道のりじゃなかった井上さんだからこそ、アイドル・井上瑠夏の強みはどういうところですか。

井上:誰よりも根性があるところかな。見た目はフワフワしてるって言われるし、言葉では強く言えない性格ですけど、アイドルになる前に悔しい思いを抱えて努力してきたからこそ、昔の自分に負けたくない気持ちが強いんです。

――SKE48も結成16周年を迎えて、8期生も重要な立場になってきています。今のSKE48の魅力を教えてください。

井上:16年間も受け継がれてきた、汗を気にせずにがむしゃらにパフォーマンスするっていうのがSKE48の魅力ですね。組閣はありますけど、チームがあって専用劇場でオリジナル公演があるっていうのはありがたいですし、今のSKE48をもっと知ってもらいたい気持ちがあるから常に熱くて全力なんです。もっと大きいステージでコンサートをしたいですし、さらに成長できるように8期生が引っ張っていく存在になっていきたいなって思います。

――AKB48グループでもチーム制が廃止になったり、世代交代も進んでいたりしますが、SKE48は伝統を継承しながら強くなっているグループかもしれないですね。

井上:それから、メンバーの半分以上が愛知県以外の出身っていうのも珍しいと思うので、組織力はどのアイドルグループにも負けないです。それからSKE48に入ってから、根性がさらに鍛えられた感じもしてますね。

――最後に個人的な目標も教えてください。

井上:ソロライブをいつか叶えたいという目標があります。あとは、地元の熊本県でSKE48の凱旋コンサートを開催したいです! 1回目がコロナ、2回目が震災で延期になってしまっているので、3度目の正直ということで。ファンの方も本当に楽しみにしてくれているので、これからも私にしか表現できないアイドルを貫いていけたらいいなって思っています。

<取材・文/吉岡 俊 撮影/上溝恭香>

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