記事のポイント
ポッシュマークが新しい手数料体系を導入したが、出品者から強い反発を受けて見直しを進めている。
新体系では出品者と購入者がそれぞれ手数料を支払う必要があり、購入手数料の増加が購入者離れを引き起こしている。
出品者たちは手数料体系の頻繁な変更に不満を抱き、ほかのプラットフォームへの移行を検討している。
ポッシュマークが新しい手数料体系を導入したが、出品者から強い反発を受けて見直しを進めている。
新体系では出品者と購入者がそれぞれ手数料を支払う必要があり、購入手数料の増加が購入者離れを引き起こしている。
出品者たちは手数料体系の頻繁な変更に不満を抱き、ほかのプラットフォームへの移行を検討している。
フリマアプリのポッシュマークは手数料体系の一部を改定したが、出品者から激しい反発を受けたため、新体系の見直しを進めている。
ここ数日、ポッシュマークのアプリを開くと、一部のユーザーには「お客さまのニーズによりよく応えるため、新しい手数料体系を鋭意検討中です。追って詳細をお知らせします」というメッセージが表示される。これまでのところ、ポッシュマークは変更内容や実施時期など、詳しい情報を提供していない。米モダンリテール(Modern Retail)が同社広報部にコメントを求めたところ、「現時点で共有できる追加的な情報はない」とのことだった。
ソーシャルメディア、特にRedditでは瞬時に反発の声が上がった。「こんなことが許されると思ったなんて、信じられない」とあるユーザーはRedditに投稿している。別のユーザーも「我々の声を聞いて、元に戻してくれることを願うばかりだ」と書き込んだ。
一部の出品者は再改定にも懐疑的のようだ。あるRedditユーザーはこう書いている。「購入手数料が元に戻るのか疑問。本当に最悪だ。以前は週に12件から15件の取引があったが、いまは5件以下だ」。
別のユーザーは「ポッシュマークの対応は遅すぎる。クローゼットを削除して清々した」と投稿した。
冒頭の追記が投稿されたのは、ポッシュマークが販売手数料を大幅に引き下げる一方、購入手数料を引き上げるという新しい方針を発表してから2週間あまり後のことだ。変更以前のシステムでは、出品者は販売した商品1点につき20%の手数料を支払っていた。
改定後は出品者と購入者が取引商品ごとにそれぞれ5.99%の手数料を支払う。さらに、両者とも商品が15ドル未満の場合は1ドル、15ドル以上50ドル未満の場合は2ドル、50ドル以上の場合は3ドルを追加で支払わなければならない。
ポッシュマークの新手数料体系に出品者が反発
米モダンリテールが複数の出品者に話を聞いたところ、新しい手数料体系は購入者に負担を強いるもので、買い物客が会計の際に合計金額を見てカートを放棄してしまうのではないかと危惧していた。
新しい手数料体系が適用されて以来、多くの出品者がRedditで「取引件数が減少した」と不満を訴えている。ポッシュマークをやめて、eBay(イーベイ)やWhatnot(ワットノット)など、ほかのプラットフォームに乗り換えると宣言する人々も現れている。
ポッシュマークの広報担当者は以前、米モダンリテールに対し、新しい手数料体系については1年以上前から検討を重ねてきたと述べていた。「出品者からの継続的な要望、eコマース環境の変化、ポッシュマークコミュニティの成長を加速させるという我々のコミットメントを直接反映させる形で今回の変更を行った。寄せられた意見や要望の大半は、販売手数料と配送料の引き下げを強く望むものだった」。
ポッシュマークの販売手数料の引き下げは、メルカリ(Mercari)、ディポップ(Depop)、英国eBay(eBay UK)ら、競争力維持のために手数料体系を全面的に見直した同業のフリマアプリの動きに追随するものだ。
ただし、こうした方針転換が軒並み歓迎されたわけではない。3月には、メルカリの出品者たちが販売手数料の無料化、購入者手数料の導入、理由を問わない返品という同社が打ち出した新方針に反発の声を上げた。
それからわずか2カ月後、メルカリは新方針の一部を撤回し、「買い手は商品到着後3日以内なら返品手続きを開始できるが、返品が可能なのは限られたケースのみである」と発表した。
出品者たちは米モダンリテールに対し、「こうした相次ぐ方針転換にはうんざりしており、出品者にとって実益のある変更を求めている」と語っている。ライリー氏というポッシュマークの出品者にさきに実施された手数料変更について訊ねると、こんなコメントが返ってきた。
「収益増を狙ってあれこれ模索しているのだろうが、たとえば検索アルゴリズムの改善など、出品者の売上を伸ばすような施策を講じるどころか、こんな分かりにくい手数料体系を出してきた」。
[原文:Poshmark is ‘actively working on’ a new fee structure after seller outcry]
Julia Waldow(翻訳:英じゅんこ、編集:坂本凪沙)