ウクライナ戦争に参戦したロシア軍人に対して「ウクライナ軍の正当な標的」という発言をしたロシアの医者に懲役5年6月が宣告された。
現地時間12日、ロイター通信やBBC放送などによると、小児科医師ナデズダ・ブヤノワさん(68)は7歳少年を診療している途中、ウクライナ戦で戦士したこの少年の父親に対して「ウクライナ軍の正当な標的」と話した。
戦場で命を失ったこの男性と離婚状態だった少年の母親はブヤノワさんが問題の発言をしたとして警察に通報し、これについてロシア連邦捜査委員会は2月調査に着手した。
ブヤノワさんは該当の発言をしたことがないと否定したが、当局はブヤノワさんを「虚偽情報流布」の容疑で起訴し、ブヤノワさんは4月に拘禁された。
この日宣告直前に手錠をかけられて出廷したブヤノワさんはガラスと鉄で作られた密閉空間に閉じ込められたまま自身の容疑について「とんでもない」と言って潔白を主張した。
ウクライナ戦争を含めてロシア軍の海外運用に関する虚偽情報を流布したと判断されれば、ロシア連邦刑法により罰金刑または懲役刑が宣告される場合がある。
ロシア人権団体「OVD−Info」によると、ロシアでブヤノワさんのように戦争に反対する発言をしたという理由で刑事起訴された人は1000人以上にのぼり、デモをしたという理由で拘禁された人は2万人を超える。