エース不在の正念場、舞台は整った。オランダで直近公式戦3試合5得点の大活躍を見せているFW小川航基(NECナイメヘン)は乗りに乗った状態での日本代表合流。12日の練習後、報道陣の取材に「間違いなくいい感覚にある」と口にし、厳しいアウェー2連戦での活躍を誓った。

 今回の活動では第2次森保ジャパン最多の14ゴールを沈めてきたエースFW上田綺世(フェイエノールト)がハムストリング負傷のため不在。最終予選で全試合に先発してきたエースの離脱は大きな痛手とあり、最終予選に入って4試合連続途中出場中の小川に大きな期待が集まっている。

 小川は今年3月のW杯2次予選で4年ぶりの代表復帰を果たした後、直近6試合で4得点を記録。途中出場が中心ながら確かな結果を残してきた。またアウェーゲームでは6月のミャンマー戦で2ゴール、9月のバーレーン戦で1ゴール、10月のサウジアラビア戦で1ゴールと全試合得点中。A代表デビューとなった韓国・釜山でのEAFF E-1選手権・香港戦のハットトリックを含めれば、国外での国際Aマッチ通算4試合7得点と無類の強さを誇っている。

 奇しくも上田不在の今シリーズはアウェー2連戦。小川にとって絶好のチャンスとなる。中でも初戦のインドネシア戦は敵地ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムに7万人を超える大観衆の来場が見込まれており、10月のサウジアラビア戦に続いてアウェーのサポーターを「黙らせる」つもりだ。

「話によるとカメラの数とか、スタジアムがすごいって聞いている。ここ最近のインドネシアのサッカー熱はすごいというので、サウジアラビアもすごかったけど、それ以上の熱気があるんじゃないかなと。また違った雰囲気でやることになるので、美味しいし、楽しみでしかないですね」(小川)

 オランダでの活躍もあり、心身ともに調子は上々。「こういう時はガッと力が入りすぎてない感覚がある。あとは身体のコンディションが良くなってきたのもある。いい準備ができればしっかりとボックスの中で駆け引きして、いいところに入っていける。ちょっと暑いし、湿気もあるので、ここから3日間、この環境に慣れて準備したい」。エースの座を奪い取るため、格好の舞台がやってきた。

(取材・文 竹内達也)