[画像] 報道機関によるOpenAIへの著作権訴訟が棄却される



ChatGPTの開発元であるOpenAIは複数の著作権訴訟に直面しています。新たに、ニュースサイトの「Raw Story」と「Alternet」によるOpenAIへの訴訟が棄却されたことが明らかになりました。

Order on Motion to Dismiss - #117 in Raw Story Media, Inc. v. OpenAI Inc. (S.D.N.Y., 1:24-cv-01514) - CourtListener.com

https://www.courtlistener.com/docket/68290709/117/raw-story-media-inc-v-openai-inc/

OpenAI defeats news outlets' copyright lawsuit over AI training, for now | Reuters

https://www.reuters.com/legal/litigation/openai-defeats-news-outlets-copyright-lawsuit-over-ai-training-now-2024-11-07/

ChatGPTは複数のメディアから「自社の著作権を侵害している」として訴訟を提起されています。Raw StoryとAlternetも2024年2月28日にOpenAIを著作権侵害で訴えました。この際、両社は著作権侵害1件につき最低2500ドル(約38万円)の支払いを求めていました。

OpenAIがさまざまなニュースサイトから著作権侵害で訴えられまくっている - GIGAZINE



Raw StoryとAlternetによる訴訟はニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所で審理され、2024年11月7日に棄却されました。審理を担当したコリーン・マクマホン判事は新たな告訴状の提出は認めつつ「原告が認識可能な損害を主張できるかは疑わしい」と述べています。

OpenAIに対して訴訟を起こす企業の多くは「自社のコンテンツがAIの学習に無断で使用された」「ChatGPTで自社のコンテンツが複製されている」といった理由で著作権侵害を主張しています。しかし、Raw StoryとAlternetは「OpenAIがコンテンツの著作権管理情報(CMI)を違法に削除した」という切り口で訴訟を提起していました。マクマホン判事は「CMIの削除は訴訟を正当化するレベルまで高められた種類の被害ではない」「何が問題なのかはっきりさせる必要がある。原告が真に賠償を求めているのは、CMIの削除ではなく、コンテンツが無償でChatGPTの開発に利用されたことである」と指摘しています。

原告側は「修正された訴状により、裁判所が指摘した懸念に対処できると確信している」と述べています。一方で、OpenAIはコメントを出していません。

なお、OpenAIはニューヨーク・タイムズやThe Interceptなどのメディアからも訴えられているほか、複数人の作家からも著作権侵害で訴えられています。作家らによる訴訟ではOpenAIの主張がほぼ全面的に認められましたが、原告らは「ChatGPTの学習データを確認する権利」を得ています。