Miho Uranaka
[東京 6日 ロイター] - 野村ホールディングス傘下の野村証券は、元社員が強盗殺人未遂、現住建造物等放火の容疑で広島県警察に逮捕された事件を巡り、リテール営業を担うウェルス・マネジメント部門の社員に対して顧客の自宅訪問については事前承認のルールを導入するなどの対策を公表した。同時に広島支店長の人事異動も発表した。
事前承認ルールのほか、社員行動のモニタリングのルールも強化、社員が職場から一定期間離れる制度の導入、コンプライアンスや行動規範の観点における評価の厳格化なども行う。
管理責任を明確化するため、当時の広島支店長は11月6日付けで異動し、新たに支店長を入れ替える。また11月5日よりウェルス・マネジメント部門の営業企画担当執行役員を広島支店に派遣し、現地での対応も強化するとした。
野村HDの広報担当者は、7月28日に事件が発生した後、8月2日に元社員から顧客の資金を盗んだと申し出があったことで事件を認識し、4日に懲戒解雇したと説明。その際、放火についての言及はなかったという。「不適切な動機の検知と不正行為の抑止が不十分だった結果、悪意ある行動を事前に察知し止めることができなかった」とし、「今まで以上に社員一人一人の行動規範の徹底に努める」と述べた。
北村巧財務統括責任者(CFO)は1日の決算会見で「1人の元社員が起こした事案だが、会社全体のビジネスに与える影響というのは考慮せざるを得ない」との見解を示した上で、何らかの対策を検討する方針を示していた。