マクニカは、モビリティの自動運転化や遠隔制御化に取り組んでいる東京大学発のスタートアップ企業であるARAVと協業し、建設機械・物流機器の遠隔操作が可能となる機能を追加したマクニカ製遠隔監視システム「everfleet」の提供を開始した。
これにより、時間や場所にとらわれることなく、世界中のどこからでも建設機械・物流機器の遠隔操作が可能となり、建設・物流現場の人材不足を解消できるほか、これまでにない新しい働き方改革をサポートするとしている。
●求められる建設業や物流業向けに自動化・自律化ソリューション
建設業を巡る課題の一つとして、就業者数の減少、少子高齢化といった人手不足の問題がある。その背景として、肉体的な労働が多く、高所作業や建設機械の取り扱いによる危険作業を伴うことなどからも、いわゆる3K「きつい・汚い・危険」のイメージが、就業希望者の減少につながっていると考えられる。一方で建設業の需要は増えており、高度成長期に建設されたインフラのメンテナンス整備、自然災害による建物の復旧や災害防止のための改良工事など、今後もさらに需要の拡大が見込まれている。
物流業においても、同様の人手不足問題に加え、荷役作業など身体的負担の大きい業務が多くあることから倉庫内スタッフの人材が集まりづらく、特にフォークリフトなどの特殊技能を必要とする人材確保が難しいのが現状である。しかしながら、物流・運送は人々の生活や企業の事業展開にとって必要不可欠のため、物流業界の人手不足の解決は業界全体の急務である。
このような状況を改善することを目的として、建設業や物流業向けに自動化・自律化といったソリューションの開発・導入が進んではいるが、現状対応可能範囲は限定的で、多くは人の介入・操作を必要としている状況にある。
マクニカはこれまで、自動運転の社会実装を実現するため、自動運転車両の提供、安心・安全に運行するための技術支援や遠隔監視システム「everfleet」の提供など、自動運転のモビリティサービスに対応したシステム構築・実装に注力。そこの度「everfleet」の遠隔監視システムに、建設機械や物流機器の遠隔操作が可能となる機能を追加した。これにより、「everfleet」をインストールしたPCに専用のコントローラーを接続し、既存の建設機械・物流機器に専用パーツを設置するだけで、誰でも簡単に運用を開始することができるようになった。
●遠隔から建設機械が操作できる「everfleet」
この度発表した「everfleet」を活用することで、作業員が過酷な現場に行く必要がなく安全に作業ができ、また天候などにも左右されない快適な室内環境から建設機械の操作が可能となる。また、建設機械が置かれている場所までの移動や休憩時間復帰のために毎回移動する必要もなくなるため、労働時間を大幅に短縮することできる。さらに、人手確保が困難な24時間稼働の現場において、時間や場所を問わず業務を進めることができるため、夜間時間は海外から遠隔操作をするなど、工事期間の短縮や雇用の確保にも繋がる。このように、危険な作業を安全な作業に切り替えることができるため、離職率の改善や人手不足の解消に貢献する。
物流業においても同様に、現場に行かなくても事務所から物流作業に従事することができ、生産性・効率の改善につなげることができる。さらに自動化・自律化ソリューションと組み合わせることで、自動・自律動作時のトラブル対応、1人の遠隔操作者が複数のフォークリフトを操作するなど、さらなる省人化・効率改善につなげることが可能になるとしている。
●主な特長
●既存の建設機械・物流機器に専用パーツを後付け搭載するだけで運用開始。新規機械の導入コストや稼働までの日数を短縮。
●建設機械・物流機器の種類、メーカーを問わずさまざまな機械・機器に後付け可能。多種多様な機械・機器が混在している現場にも対応。
●「everfleet」をインストールしたPCに専用のコントローラーを接続するだけで運用開始可能。専用コックピット不要のため既存オフィスのデスク等にて後付け設置可能。
●現場と近距離、同一構内ネットワークに加え、インターネット回線を通じて日本国内、国外からも遠隔操作可能。
●今後について
マクニカでは、今回のARAVとの協業において、システム全体の改善、小型化等の検討を進め、さらに幅広い建設業・物流業に従事されるお客様へのソリューション提案・導入を進め、課題解決への貢献を目指す。また「everfleet」の提供を通して、これまで現場での作業に困難があった方々にも就業の機会を創出するといった就業者人口の増加にもつなげていきたいとしている。
●「everfleet」とは
自動運転を実用化するためには、車室内の乗客や車両周辺の状況を遠隔地からモニタリングすることが求められる。everfleetはモビリティの位置情報や車内外のカメラ映像に加え、車速・ステアリング・バッテリー残量などの車両データを統合して一元的に可視化し、信号機などの交通インフラと協調した外部データとの連携も可能なため、運行状況を遠隔地からリアルタイムに把握し、安全・安心に自動運転モビリティを運用することができるようになる。
公式ホームページ
より
さらに、複数地域の多種多様なモビリティを同時に群管理することや運行時の異常をシステムによって自動的に検出・通知することができるため、1人の遠隔オペレータによって、効率よく自動運転モビリティを運行管理することで、オペレーションの省人化を実現し、交通採算性の改善にも貢献する。
公式ホームページ
より
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