【北京=川瀬大介】中国政府で少子化対策を担う国家衛生健康委員会が先月、SNSで「女性が子どもを産む四つの大きなメリット」と題した文章を投稿したところ、批判が殺到した。文章は4日現在、閲覧できなくなっている。世論の反発で削除したとみられる。
同委員会は10月30日、SNSの公式アカウントに投稿した文章で「妊産婦や家族は出産がもたらす前向きな価値に目を向けるべきだ」と記し、出産が子宮筋腫の発生率を下げ、妊娠に卵巣がんの発症を防ぐ一定の作用があると言及した。中国で妊娠すると物忘れなどをしやすくなると言われていることを念頭に、「実際は女性を賢くさせる」とも記した。
こうした内容に対し、インターネット上で「専門家が妊娠して知力を上げろ」などと反発する投稿が相次いだ。
一方、中国メディア・財新は10月、全国の「社区」と呼ばれる集合住宅地を管轄する当局者が住民の女性に出産計画を尋ねる電話をかけていると報じた。急速な少子化に危機感を抱く習近平(シージンピン)政権の意向が反映されているとみられるが、女性を中心に反発が高まっている。