J2リーグ第37節 千葉1(1-1)2長崎
14:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者数16,740人
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J1昇格に向けて、ともに勝たねばならない試合は長崎に軍配が上がった。

開始早々(4分)不運なハンドからマルコス・ギジェルメPKで長崎に先制を許した千葉は、その後も細かなミスを連発してリズムを作り出せないもどかしい展開が続いた。だが、25分にFKからエドゥアルドのヘディングで同点に追いつくと、以降は流れを一気に自分たちに引き寄せた。サイドをワイドに使ったスピーディな展開とプレーの強度で、多少のミスはものともしない圧力をかけながら長崎ゴールに迫る攻撃は圧巻だった。

後半は試合がやや落ち着いたなかで、千葉は68分に得たPKを、長崎の抗議と選手交代で5分中断した後に、小森のキックがGK若原に止められたのに対し、長崎は84分に得たFKを即座にリスタートし、エジカルジュニオが松澤のクロスをうまく右足に当ててゴールに押し込んだ。目に見えにくいところでの長崎の試合巧者ぶりが、勝負の明暗を分けた。

ただ、勝った長崎はもちろん、敗れた千葉にもJ1への自力昇格の道がいまだ開けている。どちらも高い強度を維持しながら、最後まで悔いのない戦いを続けて欲しい。

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。