JLPGA最終プロテスト
2024年度の日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)最終プロテストは30日、茨城・大洗GC(6602ヤード、パー72)で2日目が行われた。4日間を戦い、出場105人のうち上位20位タイまでが合格する難関。70位から出た上堂薗伽純(日本ラインゴルフ倶楽部)は4バーディー、1ボギーの69で回り、通算1オーバー。これがプロテスト9回目の受験となる28歳が、合格圏内の11位まで急浮上した。
76で回った初日とは打って変わり、順位を一気に上げた。序盤は雨が降る中での難しいプレー。それでもインスタートから12番パー4で最初のバーディーを奪うと、後半も7番パー5で約7メートルのパットを決めて1つ伸ばした。「狙っていたホールで取れて嬉しい」。ボギー1つだけの安定したプレーだった。
受験者のうち日本勢では最年長の28歳で「やっぱり」と笑う。受験9回目、最終プロテストはこれが2022年以来2度目。愛知・栄徳高を卒業後は約10年の間、研修生として過ごしている苦労人でもある。
本格的にゴルフを始めたのは14歳の時。父の影響でそれ以前からクラブを握ってはいたが、岐阜・みずなみCCで行われたゴルフ5レディスを観戦した事が転機になった。同世代では同じ愛知出身の野沢真央らがプロで活躍。一方、上堂薗は2021年3月のプロテストで初めて1次を通過できず、競技を辞めることも頭によぎった。
そこから踏ん張れたのは周囲の支えがあったからこそ。年齢も境遇も違うが、日本ラインゴルフ倶楽部の研修生9人とは切磋琢磨してここまで来た。受験のたびに「楽しんで。自分のゴルフをしてこいよ」と毎回エールを送ってくれる家族にも報いたい。
今では「受かるまでやってやろう」と息まく。「スコアを気にせず、1打1打に集中できたことがよかった。明日もスコアを気にせずに」。合格率3%と言われる狭き門。今度こそ突破してみせる。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)