片側1車線の道路の脇をロードバイクが走っていたところ、後ろから走ってきたトラックがスレスレに走行する危険な状況を撮った動画が、X上で投稿され、波紋が広がっている。
ロードバイクの男性は、転ばなかったものの、肘がトラックの側面に当たったと訴えていた。これに対し、トラックを運行する会社は、「全く許される行為ではありません」として公式サイトで謝罪した。
トラックは、ロードバイクが邪魔に思えた?
サングラスをしてサイクルウェアを着た男性が、道路脇を楽しそうにロードバイクで走っていると、いきなりトラックが後ろから近づいて来る。
すると、トラックの側面が男性の右肘をかすったかのような場面が映り、トラックはそのまま走り去ってしまった。
「エッ〜!」。男性は、そのまま走りながら驚いた様子を見せる。「エッ〜!」とまた声を上げ、右肘に左手を置いた。
「当たったよ〜!」。前を走っている仲間の男性に何か声をかけられると、「今、当たったよ俺」と返す。「肘、当たったよ」と強調するところで、映像が終わっている。
この15秒ほどの動画は、ロードバイクに乗っていたという男性が、2024年10月28日にXで投稿した。
それによると、26日の土曜日に茨城県内の道路を走っていたところ、トラックから「幅寄せ」されたという。トラックは、ロードバイクが邪魔に思えたのではないかとし、その危険運転があったとして、注意を呼びかけた。
この動画は、3000万回以上再生され、あわや衝突の危機だっただけに、ロードバイクに同情する声が寄せられている。
ロードバイクの男性は、ウェアが傷付いたものの、ケガはなかったと続いて報告した。
トラック運転手に対し、「適正かつ厳正に処遇」
この男性の投稿によると、自宅近くの交番に行ったところ、トラックと接触した茨城県内の警察に行くようにアドバイスされた。
男性は10月29日、警察から電話があり、トラックの運転手が出頭してきたと告げられたとし、再び投稿した。そして、運転手は、電話に出て男性に謝罪したというが、男性は、警察に被害届を出す考えを明らかにした。
動画には、トラックの側面に書かれた運行会社名が映っており、この会社「松本鶏園」(横浜市)の社長は同日、「お詫び」と題して会社の公式サイトで説明した。同社は、関東や東北でひよこを生産・販売する事業所をいくつか運営している。
その説明によると、トラック運転手の従業員はこの日、会社役員と一緒に茨城県警の笠間署に出頭し、事情聴取を受けた。その際に、この従業員は相手と直接話したという。相手から叱責され、従業員は謝罪したとしている。
そのうえで、「被害にあわれた方におかれましては弊社として誠意をもって対応したいと考えており弁護士をとおして今後の対応についてご相談させていただく所存です。また当該従業員については弁護士と社会保険労務士の先生方と協議の上適正かつ厳正に処遇いたします」とした。
最後に、「今回の出来事は一歩間違えれば重大かつ深刻な事故になりかねない事案でありコンプライアンスの観点からも全く許される行為ではありません。今後は弁護士や社会保険労務士また各方面の専門家の先生方のご協力のもと原因を究明し再発防止に取り組んでまいります」などと締め括っている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)