[画像] 【競輪コラム】原田翔真 近畿地区プロで見せた地脚 スピードを強化して飛翔だ

 10月23日、奈良競輪場で行われた近畿地区プロ自転車競技大会。ケイリン決勝は脇本雄太(35=福井)が逃げ切って8年ぶり2度目の優勝を決めた。スプリントは福永大智(26=大阪)が初優勝。1キロタイムトライアルは岸田剛(25=福井)が3連覇。チームスプリントも制して、3年連続で2冠を達成する活躍ぶりだった。

 チームスプリントでは福井チームが大会新記録を叩き出して6連覇と見事な戦績を挙げた。注目したいのは4キロ個人追い抜きで4分49秒166初優勝を飾った原田翔真(24=和歌山)だ。

 一昨年は3位、昨年は2位と右肩上がり。今年は念願の頂点に立った。昨年の覇者・徳田匠、大会3Vの枠元一葵を破ってのもので、2位の枠元に9秒近い差をつけての完勝だった。

 「競技の練習はしてなかったが、(前走)和歌山(3、4、1着)の成績が悔しくて、休まずに練習していました。4分50秒を切るのが目標でした」と笑顔を見せた。

 これは“本業”にもつながる勝ちっぷりだ。「来期はS級です。失格もしているので(25年後期の)S級点を取れるように頑張りたい。S級に向けてはトップスピードの強化が課題です」

 強じんな粘りを持つ地脚には定評がある。ただ、S級で戦うにはスピード不足であることも確か。「全プロ(25年5月、青森)も頑張って(G1)寛仁親王牌に出たいですね」と今後の目標を語った。

 22年7月に本デビューしてから2年半でS級のステージで戦うことに。先行基本のレースで着実に力はつけているが、課題となるトップスピードに磨きをかけたい。真面目な努力家。今後の活躍が期待できそうだ。(下野 章雄)