まだまだ、右へならえ的な精神や同調圧力も強い日本。とはいえ、奇抜な姿に挑戦する人もいなくはない。Instagramには「坊主女子」なるハッシュタグもあり、検索すれば頭を丸めた女性たちの写真がずらっと並ぶ。なかでも、とりわけ気合の入った短さのChiharuさん(@Chiharu_yp)に、坊主にしたきっかけや、日常生活について聞いた。
◆ICONIQやデミ・ムーアに憧れて

小学生の頃は肩より長い髪型で、その後はショートカットで過ごしていたChiharuさんが坊主女子になったのが3年前。坊主への憧れを持ったきっかけには、何人かの先人がいた。

「話題にもなっていましたが、私も2009年の資生堂のCMでのICONIQ(アイコニック)さんの坊主姿に衝撃を受けた一人です。そこではっきりと坊主に憧れて、その後、『西遊記』をモチーフにした日産自動車『NOTE』のCMで、三蔵法師役として坊主の女性が出ていて『かっこいい! 私もいつかは!』と決心しました」

その後、映画『G.I.ジェーン』のデミ・ムーアなどを見て、坊主にしたい欲求はどんどん高まっていったという。それでも、大きく印象も変わる上に一般の世間では極めて少ない女性の坊主頭にするには、まだまだ勇気が出なかった。

◆頭皮に直接空気が当たる感覚が新鮮だった

しかし、約3年前に「このままではオバさんになっちゃう! 今しかない!」と一念発起。さらに、当時の彼女の状況が坊主への一歩を後押しした。

「その頃は、地元の滋賀から大阪に引っ越したタイミングでした。新しい仕事をはじめたんですが、失敗や納得のできないことが多くて気持ちが落ち込んでいました、つられて体も重くなっていたような時期でしたね。心機一転するべく、勇気を出して坊主にしました」

ビジュアルの大きな変化は、Chiharuさんの身体的感覚だけでなく、精神的な部分にまで変化をもたらした。

「『頭が軽い!』と思って、最初は頭をぶんぶん振り回してました(笑)。頭皮に直接空気が当たる感覚が新鮮でしたね。ずっとショートカットでしたが、それでも頭が重かったんだなと、坊主になってみてからわかりましたね。自分が変わっていく感覚と、新しい自分の個性を持てた実感が湧いて気持ちも明るくなっていきました」

◆気になる周囲の反応は?

子供の頃から暗い性格だったというが、自分を変えたいという秘めたる思いを実現した結果、坊主になったChiharuさん。本人には好転的な変化があったが、周囲の反応はどうだったのだろう。

「家族は微妙だったというか、正直引いてましたね。特に父には反対されました。3年経った今も、どう思っているかわかならいですね」

さらに、接客の機会もある仕事に従事するChiharuさんだが、同僚やお客さんからの反応は?

「周囲には前から、坊主にしたいと言っていたので『ついになったね!』という、いい反応ばかりでした。お客さんからも『気合入ってるね!』と好意的に見ていただいています」

◆他の髪型にしたければウィッグを使えばいい

ここからは坊主女子の生活にリアルに迫ってみよう。まず気になるのは、坊主であることのメリットだ。

「私は坊主というよりいわばスキンヘッドですね。だから、お風呂ではシェービングクリームをつけて剃っています。そこに、ボディークリームを塗って保湿もしています。それでも、髪が長いときよりもかなり楽ですよ」

長い髪であれば、湯上りのドライヤーやヘアケアも大変だが、それも必要ないヘアスタイル。極度の面倒臭がりだというChiharuさんには、これがピッタリなのだとか。

「寝癖もないので、朝起きて外出するまでが早いですし、他の髪型にしたければウィッグを使えばいいですからね」