睡眠の質を向上させるために、「寝る前はあまりスマートフォンを触らないようにしている」という人もいるはず。ところが新たな研究では、睡眠が乱れる原因は寝る前にスマートフォンを見ることではなく、「ベッドの中でスマートフォンを見ること」である可能性が示唆されました。
Screen Use at Bedtime and Sleep Duration and Quality Among Youths | Sleep Medicine | JAMA Pediatrics | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/article-abstract/2822859
Children who watch screens in bed have the most disrupted sleep - Earth.com
https://www.earth.com/news/children-who-watch-screens-in-bed-have-the-most-disrupted-sleep/
一般に、就寝前にスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスを使うと、眠りに就くのが遅くなったり睡眠の質が下がったりするといわれています。そこでニュージーランドの研究チームは、就寝前のスクリーンタイムが子どもの睡眠時間や質に影響を及ぼすのかどうかを調査しました。
研究チームは、ニュージーランド南島のダニーデンに住む11〜14歳の子ども79人を対象に、就寝前のスクリーンタイムを測定する調査を行いました。調査では、子どもが胸に装着したウェアラブル型カメラと部屋に設置した赤外線カメラで、就寝2時間前から就寝しようと目を閉じるまでのスクリーンタイムが4日連続で測定されました。また、睡眠時間や睡眠の質を測定するため、被験者は手首に加速度計を装着していたとのこと。
調査の結果、1人を除いたすべての子どもが就寝前にスマートフォンなどの画面を見ていることが判明。しかし、就寝前の2時間のスクリーンタイムは、その日の総睡眠時間や質にほとんど影響を与えていませんでした。
また、半数以上の子どもはベッドの中でスマートフォンやタブレットを使用し、3分の1の子どもは一度寝ようとして失敗した後にデバイスを使用していました。興味深いことに、ベッドの中でのスクリーンタイムは入眠時間の遅れや全体的な睡眠時間の短縮に関連していました。
研究チームによると、ベッドの中でスマートフォンやタブレットを使用することの影響は、特にゲームやマルチタスクといったアクティビティで顕著にみられたとのことです。論文の筆頭著者であるオタゴ大学のブラッドリー・ブロスナン博士は、「ベッドに入ってからのスクリーンタイムは睡眠に影響を与えました。子どもたちは30分ほど眠るのが遅くなり、その晩の睡眠時間が短くなりました」と述べています。
今回の研究結果は、睡眠前にスマートフォンやタブレットを使用することで睡眠が乱れるのはブルーライトなどが原因なのではなく、「単純に眠り始める時間が遅くなること」が原因である可能性を示唆しています。
ブロスナン氏は、「簡単な睡眠のガイドラインは、デバイスを寝室から遠ざけることです。子どもが寝る前にデバイスを使うことは許可しても大丈夫ですが、ベッドでの使用は許可しないことです」と述べました。
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