[画像] 「勝ち馬が2頭いた」と称えられた馬も… 凱旋門賞で頂点をつかみかけた日本馬3頭

 これまでに延べ34頭が挑戦しながら、未だに日本馬が頂点に立てていない凱旋門賞だが、2着になった馬は4頭いる。古い方から順に99年のエルコンドルパサー、10年のナカヤマフェスタ、12年と13年のオルフェーヴル。欧州の壁を乗り越える寸前までいった、名馬3頭の戦いを振り返る。

 まずは99年のエルコンドルパサーだ。凱旋門賞を大目標に据えて、4月から長期の欧州遠征を敢行。イスパーン賞が2着、サンクルー大賞が1着、フォワ賞が1着、そして迎えた大一番だった。エルコンドルパサーは最内枠から無理することなくハナへ。意外な展開ではあったが、蛯名正義騎手は冷静だった。手応え良く直線に向くと一旦は後続との差を開く。しかし外から追い上げてきたモンジュー(Montjeu)に残り100mで並ばれ、最後は惜しくも半馬身差の2着に敗れた。3着のクロコルージュには6馬身。典型的なマッチレースとなったこともあり、一部のファンからは「勝ち馬が2頭いた」と称えられた。

 10年のナカヤマフェスタは同年の宝塚記念の覇者だった。エルコンドルパサーと同じく二ノ宮敬宇調教師の管理馬。前哨戦のフォワ賞2着から本番に向かった。レースは中団の外目を追走。最終コーナーで鞍上が何度か立ち上がる不利を受けたが、気持ちが途切れることはなかった。直線に向くとしっかりと脚を使い、一旦は先頭へ。最後は内から伸びたワークフォースに競り負けて2着となったが、内国産馬では初の凱旋門賞連対を果たした。

 そして3頭目がオルフェーヴルだ。いずれの年もフォワ賞を制しての参戦だった。まずは12年。大外枠からスタートすると、そのまま馬群の外を進み、後方2番手でレースを進めた。迎えた直線、大外からスーッとポジションを上げると、残り300mで堂々と先頭に立ち、後続を突き放す。多くのファンが「勝った!」と思ったが、次の瞬間、急激に右に斜行。スミヨン騎手が右ムチで立て直しを図ったものの脚は鈍り、ソレミア(Solemia)にゴール直前でかわされて2着。1番人気に応えることはできなかった。

 続く13年も1番人気での参戦だった。道中は中団の外を追走。しかし勝負所で馬群に包まれ、仕掛けがワンテンポ遅れる。直線に向いて先に抜け出したトレヴ(Treve)を追ったが、差は詰まるどころか、逆に開いていく。内から迫るアンテロ(Intello)を凌いだものの、勝ち馬ははるか前。5馬身差の2着を死守するのが精いっぱいだった。

 今年は日本からシンエンペラーが参戦する。99年のエルコンドルパサー(2着)、04年のタップダンスシチー(17着)に続き、3頭目となる外国産馬のチャレンジ。それも4年前の覇者であるソットサス(Sottsass)の全弟だから、現地での注目度も高い。日本競馬史に新たな1ページが刻まれることを期待しよう。