今週の日経225先物は、波乱の展開から始まることになりそうだ。先週の米国市場は年内の追加利下げへの期待からNYダウ、 S&P500指数が連日で史上最高値を更新。中国の景気刺激策発表も材料視されたほか、マイクロン・テクノロジー の決算評価で他の半導体株に買いが広がる場面もみられ、主要な株価指数が週間ベースで上昇した。国内では良好な外部環境に加えて、9月期末の配当志向の物色や配当再投資に伴う需給が指数を押し上げる形となった。
また、自民総裁選を巡る思惑が相場の大きな変動要因となった。1回目の投票では、高市早苗氏が1位、石破茂氏が2位となった。日銀の利上げに批判的な高市氏がトップで決選投票に進んだことで、為替市場では1ドル=146円台に円安が進行し、これを受けて日経225先物は終盤にかけて急伸し、一時3万9900円まで買われた。
だが、決選投票では石破氏が逆転し、新総裁に選出。直後に円相場は一気に円高に振れ、日経225先物はナイトセッションで直近2日間の上昇分を帳消しにし、一時3万7290円まで急落し、日中比2410円安の3万7440円で終えている。
週初はこの下落に対する裁定解消売りが入るほか、ヘッジ対応のショートが強まりやすい。先週は9月2日の戻り高値3万8950円を突破し、13週移動平均線(3万7750円)、26週線(3万8120円)を大きく上放れて終えたが、ナイトセッションでこれらを割り込んでいる。75日線(3万8050円)を割り込んで始まり、200日線(3万7390円)、25日線(3万7350円)水準まで下げており、両線が支持線として機能するかを見極めることになりそうだ。
もっとも、高市氏の勝利を織り込んだ短期的な急伸後の急落であり、週初の波乱展開により需給整理は一気に進むとみられる。相場の落ち着きどころを探りつつ、改めて新政権への政策期待が高まる可能性があり、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。石破氏勝利で利上げ観測の高まりも警戒されそうだが、石破氏は日曜日の報道番組に出演し、政策金利の引き上げに慎重な姿勢を示している。貯蓄から投資の流れは止めてはいけないとも述べており、イレギュラー的な下落はロングの好機になりそうだ。
一方で、今週の米国では、10月1日に9月ISM製造業景気指数、2日に米国9月ADP雇用統計、4日には9月雇用統計などの発表が予定されている。改めて経済指標の結果を受けた米国の金融政策の行方に関心が向かうことになろう。年内の大幅利下げ観測が高まるようだと、NYダウ、S&P500指数の高値更新が意識されやすく、支援材料になる可能性がある。
そのため、ボトムは見極めづらいものの、まずはオプション権利行使価格の3万7000円から3万8000円のレンジを想定しておきたい。先週末の急伸でボリンジャーバンドの+2σを突破し、+3σ(4万0070円)に接近していた。過熱感が警戒されるなか、ナイトセッションで一気に中心値(25日)まで下げている。3万7000円を割り込んでくると-1σが位置する3万6260円が意識される局面もありそうだが、25日線水準で底堅さがみられれば、75日線辺りを意識したリバウンドに向かわせよう。75日線突破後はさらにショートカバーを交えた値動きによって、3万8000円から3万9000円のレンジに移行するだろう。
なお、27日の米VIX指数は16.96(前日は15.37)に上昇した。ボトム圏での推移が続くなか、先週は週初に75日線を割り込み、その後も低下傾向をみせ200日線に接近していた。これまでも200日線が支持線として機能していたこともあり、反転しやすいところでもあったとみられる。週末には75日線(16.49)を上回り、25日線(17.34)に接近してきた。同線を上回ってくると慎重姿勢につながる可能性はあるが、基本的には20.00を明確に上回ってくるまでは、リスク選好の動きに向かいやすい。
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