[画像] 小学校・中学校・高校の教員のなかでどれが一番年収が高い?採用試験倍率も比較してみた

教員というと「安定した収入」「高収入」というイメージを持つ方も多いでしょう。そのなかでも、小学校・中学校・高校の教員では、どの過程の教員が最も年収が高いか気になる方もいるかもしれません。 そこで、本記事では、小学校・中学校・高校の教員それぞれの平均年収や採用試験の倍率をご紹介します。

小学校・中学校・高校の教員の平均年収は?

総務省統計局の「令和4年度学校教員統計調査」によれば、小学校・中学校・高校の教員の平均年収は表1の通りです。
表1

種別 平均年収 小学校教員 387万3600円 中学校教員 401万7600円 高校教員 424万5600円

※総務省統計局「学校教員統計調査」を基に筆者作成
表1から、高校教員の年収が最も高いことが分かります。しかし表1の年収には手当や賞与が含まれていないため、変動の可能性も考えられます。さらに、公立や私立といった学校の形態によっても年収が異なり、私立高校の方が手当が手厚い場合もあるようです。
また、教員の年収は年功序列であり、勤続年数が長ければ長いほど昇給が期待できます。経験年数や習熟度などを加味して号級が決められ、それに沿って給与が上がるシステムです。さらに、役職がつくことでも年収が上がるようです。
 

小学校・中学校・高校の採用試験倍率を比較

平均年収が最も高かったのは高校教員でしたが、採用試験の倍率にも関連するのでしょうか。文部科学省の「公立学校教員採用選考試験の実施状況」によると、それぞれの採用試験倍率は表2の通りです。
表2

種別 受験者数 採用者数 採用倍率 小学校教員 4万635人 1万6167人 2.5 中学校教員 4万2587人 9152人 4.7 高校教員 2万3991人 4494人 5.3

※文部科学省「令和4年度公立学校教員採用選考試験の実施状況」を基に筆者作成
表2より、採用倍率も高校教員が最も高く、人気が高いことがうかがえます。これまでに、高校教員は年収が高く、かつ採用試験倍率も高いことが分かりました。
このような傾向がある理由としては、高い専門性が求められることがあげられます。小中学校の教員は幅広く科目を教えますが、高校ではより細分化され専門的な科目となります。また、卒業後に活かせる「看護」や「情報実習」といった科目があることも特徴です。
さらに、高校教員の職務内容は多岐にわたります。担当科目を教えるほかにも、ホームルームや学校行事、部活動などにもかかわるようです。
また、高校卒業後の進路相談への対応もあります。基礎的な学習をする小学校や中学校と比べて、今後の将来にかかわる部分にも携わる非常に重要な仕事ともいえるでしょう。
 

小学校・中学校・高校の教員になる方法

小学校・中学校・高校の教員になる流れは以下の通りです。


1.教員免許状を取得できる大学・大学院・短大などで必要な単位を取得する
2.教員採用試験に合格する

基本的に上記の流れとなり、小学校・中学校・高校で違いはありません。教員免許状には「第一種免許状」「第二種免許状」「専修免許状」の3つに分かれ、卒業した学校によって交付されるものが異なります。
また、義務教育学校の教員になる場合は、小学校と中学校の両方の教員免許状が必要になります。中等教育学校の教員になる場合は、中学校と高等学校の両方の教員免許状と、教える教科ごとの教員免許状がそれぞれ必要です。
 

平均年収・採用試験倍率で最も高いのは高校教員

文部科学省の調査結果によれば、平均年収424万5600円、採用試験倍率5.3といずれも高校教員が最も高いことが分かりました。高校教員になるためには、小学校や中学校の教員よりも専門性の高い勉強をしたり、ときには実用的なスキルを学ぶ科目を習得したりする必要があるようです。
さらに、授業以外にも部活動や進路相談にもかかわるようです。生徒の将来を決定するための重要な場面にも立ち会うことでしょう。経験を重ねれば、役職がつき年収が上がることも多いようです。年収もさることながら、やりがいも非常に大きい職種ともいえるでしょう。
 

出典

総務省統計局 eーStat 政府統計の総合窓口 学校教員統計調査 学校教員統計調査 令和4年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校,各種学校の部 教員個人調査 小学校 表番号25 給料月額別 職名別 教員構成
総務省統計局 eーStat 政府統計の総合窓口 学校教員統計調査 学校教員統計調査 令和4年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校,各種学校の部 教員個人調査 中学校 表番号36 給料月額別 職名別 教員構成
総務省統計局 eーStat 政府統計の総合窓口 学校教員統計調査 学校教員統計調査 令和4年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校,各種学校の部 教員個人調査 高等学校 表番号57 給料月額別 職名別 教員構成
文部科学省 令和4年度公立学校教員採用選考試験の実施状況(第1~第11表)
文部科学省 教員免許制度の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー