こういったことをバーガーキングは新商品のリリースで実践しています。例えばバンズの間にパティが4枚、大量のチーズがとろけ出しているようなもの。どうやって食べればいいのかわからないようなものです。過去の新商品をさかのぼっていくと、そういった奇抜なものが必ずあるのです。こういったものは賛否を生みやすいのです。
◆機能的なアプリで集客導線をつくる
賛否の「賛」の人たちにバーガーキングに行った動機を聞いてみると、普段はマック派、モス派などという人でも「自分の誕生日の記念に」「SNSに投稿してみたくて」「大きなバーガーを一度食べてみたくて」などということを言うのです。アメリカンスタイルの大きなハンバーガーがあるという話題に接して、ネットで調べてみようといった動機にもなっています。
そしてしっかりとした集客導線ができています。それがアプリの機能性でしょう。最近の若い世代はSNSなどで気になるものを見つけると、すぐにスマホなどで調べます。そこでお得なメニューやクーポンなどを見つけると「行ってみよう」となります。
でも、多くのハンバーガーチェーンでは「アプリが不便だ」などという声を耳にします。使い勝手のよくないアプリだと、そこから来店につなげるのは難しいでしょう。その点、バーガーキングは使い勝手のよい、機能的なアプリになっており、それが若い世代を中心とした導線になったのです。
◆「失敗の分析と研究」から始まったバーガーキングの再生
「新生・バーガーキング」が好調なのは、マクドナルドなど、すでに日本に根付いていた大手チェーンとはまったく別の土俵で勝負したことです。
もともとアメリカではうまくいっていたものがなぜ日本で成立しなかったのか、うまくいくにはどうすればいいのか、マクドナルドではなくバーガーキングでなければならない理由はなにか。これらがしっかり分析できていたのです。
ドミナント出店でブランドバリューが伸びているイメージを短期間で作り、ワッパーで競合他社との差別化を図り、賛否両論が生まれるような新商品をリリースする。
最近は大食いのインフルエンサーがチャレンジしてそれをSNSで拡散するということが恒例づいており、新商品のリリースとともに拡散がすすみます。それにより、普段は大食いでない人も「一度あんなものを食べてみたかった」「1500円くらいで記念になればいいや」「自分のSNSで話題になるといいな」などという来店動機を生み出していったのです。
<TEXT/永田ラッパ>
【永田ラッパ】
1993年創業の外食産業専門コンサルタント会社:株式会社ブグラーマネージメント代表取締役。これまで19か国延べ11,000店舗のコンサルタント実績。外食産業YouTube『永田ラッパ〜食事を楽しく幸せに〜』も好評配信中。
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