さらに、番組の焦点となるのがMCである和田の存在だ。放送開始時点では、和田は歌手としてもバリバリとヒット曲を発表し、『NHK紅白歌合戦』でもおなじみの歌手だった。司会者としても各局でレギュラー番組を持ち、まさに芸能界を代表する存在の歌手・タレントとして活躍していた。

その勢いは年々衰え、現在ではタレントとして『アッコにおまかせ!』とラジオ番組『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』(ニッポン放送)がメインとなる。つまり、若い世代にとっては、テレビでは『アッコにおまかせ!』くらいでしか見かけず、歌手活動も以前ほど活発ではないので何をしている人なのかわからない大御所タレントなのだ。

そうなると、これまでは圧倒的な知名度と好感度で見過ごされてきた暴言も、許せないという声が大きくなってしまう。和田が言うなら納得できる…そんなご意見番としての説得力が一気に落ちてしまい、『アッコにおまかせ!』の発言が何かと叩かれるようになってしまったのではないだろうか。

ちなみに、芸人が和田の横暴さを語る飲み会や誕生会の被害も、いまエピソードとして番組で明かされたら炎上して叩かれる可能性がある。それだけ、和田に対して世間の目は厳しくなり、誰もが納得するご意見番としての力を失った。その結果、『アッコにおまかせ!』も問題が多くなってしまったのではないだろうか。

◆心機一転、YouTubeやネット番組に出演すべきでは

さて、何とも寂しい最後を迎える可能性が高くなってきたが、『アッコにおまかせ!』が本当に終了するなら、和田アキ子は今後はもっとYouTubeや配信番組に出演すべきだと思う。

これまで芸能界のご意見番として君臨した和田だが、もはや何をやってもネットで叩かれる存在。しかし、意外にもここ最近で好評になった仕事がある。それが、見取り図・盛山晋太郎とさらば青春の光がMCを務めるパチンコ番組『パーラーカチ盛り ABEMA店』(ABEMA)だ。

今年9月6日、9月13日に配信したこの番組へ、和田はスペシャルゲストとして出演。大興奮しながらパチンコをプレイし、その模様が面白すぎるとネットで話題を集めた。

そこには『アッコにおまかせ!』で見るような威圧感ある和田はいなく、かわいらしく出演者とはしゃぐ姿ばかり。正直、『アッコにおまかせ!』で見る和田より、何倍も輝いていたのは言うまでも無い。

一貫して歌手であることに誇りを持つ和田は、もうテレビはコリゴリだと考えているかもしれない。しかし、タレントとして活動を続けるのなら、地上波よりも気軽なネット配信番組やYouTubeに活路を見出すのが正解だと考える。

何にせよ、『アッコにおまかせ!』が報道通りに終了すれば、ほとんどのテレビ仕事を失うことになる和田。心機一転、新しいメディアに74歳で挑戦したら、下がり続けた好感度も大復活するのではないだろうか?

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆