(20日)
 東京市場では、ドル円が142円台で神経質な動き。朝方の142円台後半から上値が重くなり142円台前半へと軟化。全国消費者物価指数が前回から上振れたことに反応していた。正午ごろに発表された日銀金融政策決定会合結果では政策金利が市場予想通り据え置きとなった。瞬時買われたあとは再び売りに押されて142円を割り込む場面があった。その後は植田日銀総裁会見を見極めたいとして142円台前半で揉み合った。ユーロ円も朝方の159.50付近から158.50付近まで下押しされ、158円台後半に落ち着いた。ユーロドルは1.11台後半でややドル売りの動きで買われている。

 ロンドン市場では、円売りが強まっている。この日の注目材料である日銀決定会合では政策金利が据え置かれた。その後の植田日銀総裁会見に注目が集まるなかで、ドル円は一時142円台割れへと軟化。植田総裁は「円安に伴う輸入物価の上振れリスクは相応に減少」「利上げ判断に時間的余裕」などと発言し、市場での早期利上げ観測が後退した。ドル円は一気に143円台後半へと買われ、さらに144円台乗せへと上伸している。クロス円でも円が全面安。ユーロ円は158円台から161円付近へ、ポンド円は189円前後から191円台後半へと上伸している。円相場主導の展開となるなかで、ユーロドルは1.11台半ばから後半、ポンドドルは1.32台後半から1.33台前半での振幅にとどまっている。ロンドン朝方に発表された8月英小売売上高が予想を上回る伸びを示したことでポンド買いの反応がみられる場面があった。ユーロ対ポンドではポンドが約2年ぶりの高値水準となった。

 NY市場ではもう一段のドル高円売りとなり、144円49銭まで上値を伸ばした。ロンドン市場で144円40銭台まで上昇した後、いったんは143円50銭前後までの調整が入ったが、米債利回りの上昇をきっかけにドル全面高となり、下げ分を解消、高値を更新する動きを見せた。もっとも週末を前に午後は利益確定の売りなども見られ144円00銭を挟んでの推移となった。ユーロドルはNY午前のドル全面高の展開において、1.1136までユーロ安ドル高となったが、その後米債利回りの上昇が一服したこともあって、下げ分を解消して1.1170台を付けている。ユーロ円はドル主導ということもあり、ドル円の上昇を支えにしっかりも、ロンドン市場の高値161.16に届かず、161円00銭前後までの上昇にとどまった。その後少し売りが入り、160円台半ばでの推移となっている。